【古典邦画】「陸軍中野学校」
増村保造監督の、1966(昭和41)年の作品「陸軍中野学校」。YouTube角川公式チャンネルにて。
主演は市川雷蔵。戦前・戦中に実在した陸軍のスパイ養成機関の学生となった青年将校を描く。シリーズ化されるほど人気だったのだね。
市川雷蔵演じる青年将校が、極秘命令を受けて、母と恋人(小川真由美)にも内密に、行方をくらまして、スパイになるための訓練を受ける。
最初は、恋人を想い、戸惑い、反発するような人間らしい表情だったが、スパイとして一人前になってくると、徐々に能面のように冷たく無表情となってくる。
恋人が、勤め先の外国人にそそのかされて、軍の機密を漏らす事態になると、恋人に再会し、蜜月な時間を過ごす中で、毒薬を盛って殺すことになるに至るは、すでに完璧な特務機関のスパイとなっている。
クールな市川雷蔵が魅力的だ。
スパイ養成学校の責任者が、人間味溢れる役でお馴染みの加東大介ではあるが、その講義に、“女の喜ばせ方”なんてものがあって苦笑する。落ちこぼれの仲間に自殺を強要するのも、戦時中の狂気を感じさせる。
007のような派手さは全くないが、日本流の上質なサスペンスドラマに仕上がっていると思う。
陸軍中野学校は、陸軍省が運営する東京・中野にあった軍学校だが、陸軍内でも極秘とされて、諜報、防諜、宣伝などを扱ったため、戦後も明らかにされなかったことが多かったようだ。戦後の東南アジアの各国の独立運動に寄与した面もあったとされて、北朝鮮のスパイ機関が中野学校の教育を参考にしたと何かで読んだことがある。
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