【洋画】「アンドロメダ…」
1971年の米SF映画「アンドロメダ…(The Andromeda Strain)」。
とにかく隅々まで凝った映画で評価の高い職人ロバート・ワイズ監督だから、地球外の細菌みたいな微生物の増殖を食い止めようと奮闘する科学者たちの闘いを、ハラハラドキドキのドキュメンタリー・タッチで描く秀作。
赤ん坊とアル中の老人の2人を除いて住民が全滅したある田舎町。
不可解な事件で、すぐに様々な方面の著名な科学者たちが招集される。
科学者たちは、近くで墜落した人工衛星に付着してた未知の物質が原因であることを突き止め、物質の正体とこれ以上の増殖を食い止めるため、実験を重ねていく…。
科学者たちが地下の研究室に入って、彼らに対する除菌や汚染を止める過程も省くことなく、時間を割いて描かれる。
舞台は地下の研究室だけで、登場人物も科学者のみ。派手さはなく地味だけど、微生物の正体と弱点を探っていく過程が、リアルな細かいディティールで描かれており、めちゃくちゃ面白い。まさに手に汗握るってやつだ。
コロナにも通じる、空気感染なのか、接触感染なのか調べる過程とかへぇ〜と感心する。
さすがはロバート・ワイズ監督、マイナーながら、70年代によくこんなハイレベルのSF映画を作ったものだなぁ。先見の明で書籍も電子化されたAIみたいなコンピュータとか、セットにも金をかけてるし、ネズミやサルを使った実験など、ホントにやってるんじゃないか?
なぜ赤ん坊とアル中の老人だけが生き残ったのか、意外と単純なことだった。
この頃のSF映画は、未来に対する夢があったなぁ。未来はまだわからないものだったし。今は、徹底的にリアルに描くことで未来を現代に引き寄せた感じだ。
女性科学者が、ちょっとヒステリックに描かれているのは、この時代だからか?
「601」=「解析不能」…。