【古典映画】「ボー・ジェスト」

1939年のアメリカ古典映画「ボー・ジェスト(Beau Geste)」(ウィリアム・A・ウェルマン監督)。

なんか複雑で、波瀾万丈の物語といった感じ。

孤児のジェスト三兄弟が、養子にしてくれた叔母の経済的危機を知って、最後に残った宝石“青い水”を守るため、無断で持ち出して、アラブ戦線の外人部隊に参加する。戦場では長男ボーを中心に活躍するが、結局、末の弟ジョンだけが帰還。兄たちの手紙と共に宝石を叔母に返す…。

ラストに、冒頭のシーンに戻って、ああ、こういうことだったのねーと納得させたり、三兄弟の幼少期の遊ぶ場面を長々と盛り込んだり、けっこう凝った作りになってる。

娯楽の戦争活劇だけど、観るものを引き込むストーリー・テリングが、大昔の古典映画にもあったんだなぁと妙に感心させたね。最初から謎が続いて、コレがアメリカのハリウッド風ウィットなのかな。

また、上官である鬼軍曹が徹底して威圧的で、三兄弟他、新兵を虐めまくる。鬼軍曹の上官が死んで、さらに居丈高に振る舞うが、砂漠の基地の中に鬼軍曹はたった独りで、兵たちは不満タラタラで反乱を企てるが、密告でダメになる。

やっぱり独りとはいえ、誰も歯向かえないところは、一旦、決まった系列や秩序を乱す、壊すことを、人間は嫌うからだろうなぁ。戦争とはこういうものだ。

とにかく人間は変えるのを極端に嫌う傾向にあるのはいうまでもない。だから、保守などの一旦、地位を築いた人間に付き従うのだ。その人間が何をしようともだ。危機や不安な時代には、それがさらに顕著になる。

コレも戦争を材料とした悲劇と再生の物語だ。


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TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。