「人間滅亡的人生案内」

「生は放屁の如く」という人類滅亡教祖、深沢七郎が若い読者からの質問に答える。

当時の、高校生、大学生くらいの若い読者が、カッコつけて、人生とは、生きる意味とは、なんて質問を投げているのに対し、「不必要なことを考えるな」と一刀両断、「あなたは、ヘタに教養を身に付けたことで、大切な魅力を失った」と喝破、「何もしなくてイイ。ボーッとするべき。女とヤルべき。もしくは労働をしなさい」と助言するのはメッチャ面白い。

「生きていることは川の水の流れることと同じ状態。なんにも考えないで、なんにもしないでいることこそ人間の生き方だと思う。ただ、生きていくには食べなければならない。だから仕事もする。仕事をすることに食べること以外の意味を求めてはいけない。どんな仕事でも仕事はつまらないもの」

「社会などというものを作ることがいけない。人は孤独が当たり前で社会などというものは作られたもの。それを作った奴は悪魔」

「人間にホンモノなんかない。みんなニセモノ。どんな人もズウズウしいくせに、ハズカシイような顔をしてる。どんな人もゼニが欲しくてたまらないのに、欲しくないような顔をしてる。人間は欲だけある動物で、動物の中で最もアサマシイ」

「人間も動物も虫も、動きの中に生まれて死んでいく。誕生も死も生活も無の動き。だから立ち止まって、幸福だ、退屈だとか考えることがいけない。そんなことは考えなくてよい。考える必要がない」

「人間は生きるのではなく、生きている。ただ訳もなく生きているのが人間」

素晴らしい!この無常感!

この世に生きているのは人間だけじゃない。だから人は繁栄しなくともよい。繁栄する必要もないのだ。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。