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「野火」
大岡昇平の小説が原作の「野火」(2014)。
「鉄男」の塚本晋也氏が監督、脚本、製作、主演。以前は1959年に市川崑監督が映画化してる。←観てないけど。
太平洋戦争末期のフィリピンが舞台。
結核となってしまった田村一等兵は部隊から野戦テントへと送られるが、食糧不足(小さな芋だけ!)を理由に追い返される。
仕方なく部隊に戻るが、上官に殴られて追い出されてしまう。
暑いジャングルの中を飢えと闘いながら彷徨い続け、かつての仲間たちと遭遇することに。
彼らと行動を共にするが、飢えからカニバリズムにまで手を出して、極限状態の中、皆、徐々に精神に異常をきたしていく…。
肋骨がうくくらいガリガリに痩せて眼だけギラギラして、泥や垢まみれで顔も真っ黒になって軍服もボロボロ…よくぞここまで敗残日本兵を演じたものだとビックリするけど、あの過激な「鉄男」を創った監督らしく、当時の日本兵が置かれた極限の状態をなるべく過激に表現したと思われる。
吹っ飛ぶ肉片に溢れ出る内臓、血の飛沫、そして、唯一の食糧である芋が無くなると転がる死体の肉(サルの肉)に食らいつく。
多分、大袈裟ではなく現実もこうであったろうとは思うが、あまりにも地獄のような狂気に陥る状況を主張し過ぎたゆえに、映画としてのドラマや遊び、考える余地や余裕がなくなってしまったような気がする。こうしたストレートな表現が日本映画らしいといえばそうだけど。
おぞましい、悲惨だ、残酷だ、最悪だ、で終わってしまって、そういう印象しか残らない。塚本監督だけに、ただ過激な表現で終わってしまうのはもったいないね。地獄過ぎてトラウマにもならんし、ホラー映画になっとる。あと塚本監督のセリフがボソボソ過ぎてわからないよー。
市川崑監督のはどうだろう?の前に、小説はどうだったかなぁ、とAmazonをポチッと。
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