「硝子戸の中」
漱石ちゃんを読む。
数時間で読める小品「硝子戸の中(ガラスどのうち)」。随筆、いわゆるエッセイだね。漱石ちゃんのエッセイは初めてだな。
昔の文だからまわりくどい感じもするが、漱石ちゃんは一歩引いたところから、例え自分のことでも、ひねくれて俯瞰するように思いを綴ってる。“則天去私”の心境なんだろうか。
もう晩年になって、体調も芳しくなく、本を読むでもなく、ただ座ったり、寝たりして、“引きこもり”のように部屋に閉じこもってるところに突然やって来るファンなどの訪問者とのやり取りと、後半は彼の幼少期の思い出話が中心だ。
昔も遠慮なくいきなりズケズケとやって来て自分のことをまくし立てる読者っているんだね。ムシすりゃあいいのにいちいち家にあげて話を聞いてやるから漱石ちゃんはスゴいよ。
愛犬の死から始まって、何気に死についての話もちょこちょこ出てくる。感情を交えずに死について書けるのは晩年になって老いているからだろうと思われる。
あと3冊で新潮文庫の夏目漱石は読破だよん。←自慢
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。