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「わが青春のマリアンヌ」

1955年公開のモノクロ古典作品「わが青春のマリアンヌ(Marianne de ma Jeunesse)」(ジュリアン・デュヴィヴィエ監督)。

この映画、松本零士「銀河鉄道999」のメーテルや、昔のグループサインズのジャックスやオックス、ジ・アルフィーの曲などにも、多大な影響を与えているらしい。何故なのかは知らないけど。

ヨーロッパ(ドイツだっけな?)の、霧に包まれた深い森と湖、そこに建つ古城が舞台。
寄宿舎に疎開してきた青年学生ヴィンセントと幽霊屋敷と呼ばれる古城に住む若い美しい女、マリアンヌの一夜の交流なのだが、全てがハッキリとしない。城を改装した寄宿舎に住む学生達や唯一の女学生リーゼのことから始まって、古城に住むマリアンヌの存在、何故古城に幽閉されるのか、彼女の結婚相手とされる男爵と召使いの大男のこと、そして、ヴィンセントとマリアンヌが過ごした嵐の一夜のことまで、現実のようでもあり、また夢のようでもあり、さらに幻のようでもあって、ヴィンセントが寄宿舎を離れるまで、何の解決もないし、答えも示されない。霧のように。まさに幻想文学のようだ。

まず、最初から寄宿舎にいる不良(?)学生グループの行動が、不良らしからぬマンガみたいなやり取りで面白い。お芝居みたいな大袈裟な台詞だし。校長の姪であるリーゼがけっこう大胆な女学生で、ヴィンセントに惚れて、2回も裸で迫るなんてダイタ〜ン。結局、ヴィンセントはマリアンヌにお熱で振り向いてくれずに、嫉妬でヴィンセントが可愛がってた小鹿を殺してしまい、ヴィンセントにボコボコに殴られる。挙げ句の果てに、鹿の群れに踏み潰されて死ぬなんて可哀想過ぎるよ。そう、鹿も人を恐れることなく身近にいる。

ヴィンセントは、不良グループと一緒に幽霊屋敷に探検に行ってマリアンヌに会う。彼女が幽閉されてて無理矢理、老男爵と結婚させられるから助けて、というが、多分、彼女は心を病んでて統合失調症みたく妄想に支配されていると思われる。老男爵は父なのではないだろうか。結局、最後まで真実が明かされることはないが。

どうしても想いが募り、再度、幽霊屋敷まで長い距離を歩いて中に入ったヴィンセントの眼には、残された大きなマリアンヌの肖像画しか入らない。彼女は本当に実在したのだろうか…。

男を魅了する美しい女は映画や小説、絵画の材料になるし、伝説にもなりやすくて得だなぁ。この映画は、50年代の同世代を惹きつけた青春映画の金字塔だったのだろうか。

ジ・アルフィーの曲を検索したら、この通りだったな。

夜霧に濡れる森を抜けて
白いバルコニー あなたを見た
すがるような瞳と 風に揺れる長い髪
時めく出会いに 胸ははりさけそう
メリーアン メリーアン メリーアン
won't you stay for me
嵐の去った 真夏の夜
あなたの姿を 求めて歩く
夢から醒めた僕の 胸に残った幻想
誰もが通り過ぎる 道しるべか
メリーアン メリーアン メリーアン
won't you stay for me

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。