【邦画】「破戒」
今更、何で?と思ったら、水平社創立100周年だったのね。
「破戒」(2022年、前田和男監督)。間宮祥太朗主演。Amazonプライムにて。60年ぶりの映画化だって。
原作は、もちろん島崎藤村の暗〜い長編小説。
小説も読んで、木下惠介や市川崑監督の映画も観てきたけど、現代版ということで、ぼやかしてハッキリとはさせずに、哀しみだけ煽るような、ヒューマニズム的な展開で、俺には一番、つまらなかったな。
藤村の小説は、もっと徹底的に暗かったけどね。小説は後で身内からも批判されることにもなるけど、自分の出自を隠さなければ、表に出て来れないという、当時の明治の被差別者を巡る環境を通して、人の世の中の理不尽さや不合理性、すぐに差別を生む人間の特性、排外性、そして、それに抗うための学問の大切さを表したものだと、俺は理解している。
瀬川丑松が生徒たちに説く。
「どんなに苦しい境遇に陥っても、しっかりと学問を身に付けていれば、必ず這い上がれます。勉強が君たちを救ってくれるのです。絶対に勉強から逃げないでください」。
島崎藤村の小説って、ほとんど旅立ちで終わるんだよなぁ。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。