水俣病資料館

昨年のFBより。また行きたい。

片麻痺オヤジの社会派見学。行きたかった水俣市の「水俣病資料館」へ。一度走った南九州自動車道はもう大丈夫、無料区間を利用して、3時間ほどで到着。

チッソ(株)の工場が排出した水銀を含むヘドロで汚れた、かつての水俣湾を広大に埋め立てた公園「エコパーク水俣」の一角にある。週末だけど、近くの「道の駅」以外はほぼ人もいなくて、60年も前に全国的に騒がれた場所だとは思えない静寂を極めた感じ。

長い階段を上がって玄関を入ると、受付のお姉さんが親切に案内してくれた。最初にホールで水俣病の歴史から現在まで約20分ほどのビデオを見てから常設展示室へ。意外と展示は簡素でちょっと拍子抜け。一昨年、熊本市内で見た水俣病展の方がはるかに濃かった感じがする。

地元ということもあって、今も訴訟、裁判、補償などが続いて解決してなくて人権等に配慮してることと、一応、水俣病は過去の歴史の問題として新しい水俣市をアピールしたい行政側の意図があるからではないかと思ったが。

隣接する水俣病情報センターや熊本県環境センターでは、世界の水銀汚染等の環境問題から環境に配慮した取り組み等、明るい未来を感じさせる展示が多かったし。

俺はそんなことにはあまり興味がない。水俣病の現実とそれからの裁判闘争やいがみ合う市民の姿から見えてくる人間の真実、日本の真実の一部を垣間見れることに興味があるのだ。

簡素な展示でも、今でも、「水俣病はうつる」とか、「患者は補償で儲けた」とか、「家系が水俣病」とか、「いつまで騒ぐのか」とか、差別と偏見が根強く残ってる事実がわかった。

イジメがなくならない訳だよね。やっぱり「個」よりも「公」を重要視する日本社会の特質に起因している部分があるのではないかと俺は思うけどね。

情報センターでは、毛髪の水銀量を測定できるのだが、スキンヘッドの俺はムリだった。残念(笑)。

資料館を出て、八代海を眺めたけど、青く透き通った静かな海面を見てると、この海が水銀のヘドロで汚れていて、狂ったように痙攣する猫や落ちて動けなくなった鳥がそこら中にいたなんて信じられないね。過去に行ったサイパンで日本兵の遺体が死屍累々だったという、とっても美しいビーチを思い出した。

もう水銀も基準値以下に戻り漁も復活したらしいけど、汚染された海というイメージは根強く残ってるだろうな。

誰もいない「恋人の聖地」なんてモニュメントもあるし、こんなに広い公園なのだが、自動販売機が一台もないことに気付いた。なんか環境モデル地域か何かだそうでそれも関係してるのだろうか。

水俣市を様々にピーアールして人が来るようにしたいけど、水俣病の歴史もあるし、それで宣伝はできないという水俣市のジレンマを感じた、だだっ広い無機質な公園だった。

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TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。