2023年3月29日~4月6日 最近のこと
・近況
体調はやはり波がある。久々に歯医者に行き、歯石を取ってもらう。新刊は積まれていく一方で、なかなか手を付けられていない。他方で漫画をよく読んでいる。
本棚の整理と本の移動を行う。その時々で気になる本は変わっていくもので、今目の前に置いておきたい本を色々並べる。あと、久々に3000円近くする古本を購入する。ジャック・フィニイの『夜の冒険者たち』なのだが……。
庭の山椒の葉でじゃこと一緒につくだ煮を作る。風味豊かで美味しい。どうやら山椒の葉は冷凍保存できるらしく、試してみようと思う。
・『はるかリセット』
電子書籍で購入したまま、最新刊まで積んでいた『はるかリセット』を既刊全巻読む。面白い。息抜きにもいろいろ手段があるんだなぁ。試してみたいものがたくさんあり、参考にもなる。あと、急に社会人百合濃度が濃くなったりしてちょっとびっくりする。
・『ドライブ・マイ・カー』
映画『ドライブ・マイ・カー』を見る。今更感があるが、とても面白い。演出が細かく、直喩ともいえる暗喩的なシーンやセリフ、物語や心境を象徴するものもたくさんあり、漫然と見ていたらおそらく気づかなかっただろうな、と思う。作品としてエンターテインメント性が高いわけではないので、おそらく人を選ぶ感じだとは思うが、見て損はない作品だと感じる。
・ジョン・ファンテ『塵に訊け』
今秋、未知谷から長らく絶版だったジョン・ファンテ『塵に訊け!』が新訳で出版されるそうだ(公けにしても良い、という許可をいただいているので書いてしまうが)。僕は図書館で借りて読んだが、とても良い作品だと思う。
ジョン・ファンテ作品を読もうとする人は、僕の体感では大体チャールズ・ブコウスキー経由で彼の存在を知った人、という雰囲気がある。ただ、作風は両者でだいぶ違うと思うけど……。
ジョン・ファンテの作品にあふれるユーモラスさと「書くことについて」の赤裸々さは、実は創作をする人にかなり刺さるのではないか、と思っている。ファンテの小説って、読むと笑えるし切実にもなるんだよなぁ。
小説で笑えるものを書くことって、実はシリアスな作品を書くことより難しかったりするんじゃなかろうか、と素人ながら感じる。しかも、時代も文化も違えばなおさらではなかろうか。それでも読んでいて素直に「笑える」のは、とてもすごいことだと思う。
ただ、ジョン・ファンテって海外文学をそれなりに読んでいる人でも存在を知らないよね……というところがあるが(中小出版社から出版されている、ということを差し引いても)、どこかで大きく取り上げられる機会があればバズる可能性を持った作家だと個人的に思っている。
一度『満ちみてる生』が江國香織さんに紹介されたときは、その作品だけたくさん売れたということもあるし(実際、重版しているのは『満ちみてる生』だけ)。
未知谷さん、難しいとは思うけど、何らかの形でちょっとプロモーションをかけていただけると本当に嬉しいな、という気持ちである。