なぜプログラミングを学ぶのか、理解するための良書6選
プログラミング教育を考える上で、これは外せないだろう!という良書を幾つかご紹介します。これを機会に是非お近くの書店でお手に取って頂けたらと思います。
1.『マインドストーム ー子供、コンピューター、そして強力なアイディア』シーモア・パパート著
コンピューターを使った学びをつくっていく上でのバイブル、といったら子どもたちが自ら知識を構築していく「構築主義」を提唱したシーモア・パパート。
冒頭に登場するシーモア・パパートが数学の世界への入り口を開いた「試行錯誤」の原体験としての歯車の話を読めば、その後に生まれたLogoの設計思想にも合点がいくことでしょう。
2.『作ることで学ぶ ―Makerを育てる新しい教育のメソッド (Make:Japan Books)』 Sylvia Libow Martinez, Gary Stager 著
「構築主義」や「コミュニティでの学び」など、つくることで学ぶ裏にある教育思想についての解説を始め、「つくる」ための実践例やツールの紹介など、Makerを育てるための方法論が一冊に凝縮されている良書。本当にオトクな一冊です。
3.退屈をぶっとばせ! ―自分の世界を広げるために本気で遊ぶ (Make: Japan Books)
さまざまな「遊び方」に関して徹底的に描かれている書。ちょっと心配性な保護者からしたら子どもに渡すことに若干抵抗を覚えるかもしれない内容ですが、「ホンキで遊びを面白がってほしい!」と思っている方には大変おすすめな一冊。
だんだん子どもたちは遊ばなくなってしまっている。大胆さが減ってきているという危惧をもっているならば、ぜひご一読を!
4.『ティンカリングをはじめよう ―アート、サイエンス、テクノロジーの交差点で作って遊ぶ (Make:Japan Books)』 Karen Wilkinson、Mike Petrich 著
1で取り上げた、マインドストームの著者、シーモア・パパートが提唱した概念「ティンカリング」。実は英語では「取り繕う」という負の意味もあったりする言葉ですが、パパートが意味していたのは「いろいろいじくり回して遊んで面白いものをつくる」ということだったのでしょう。
子どもたちは無限にティンカリングしてしまう、それこそ内発的動機づけであり、遊びであるわけです。
一度このnoteでもご紹介した、ExploratoriumのTinkering Studioでの実践がまとめられた一冊です。
5.『世界が変わるプログラム入門』 (ちくまプリマー新書) 山本貴光著
小学校教員でこれから子どもたちにプログラミングを教えなければいけない。でもプログラミングなんて全く触れたことがないし、なぜ必要なのか理解できない、という方におすすめな本です。
鳥の目と虫の目を繰り返し使いながら、エラーを修正してシステムを作り上げていく、そのダイナミックさと学びの多さを紹介してくれている本です。
6.スラスラ読める JavaScript ふりがなプログラミング (ふりがなプログラミングシリーズ) リブロワークス 著、 及川卓也 監修
その手があったか!とびっくりさせられた本。だけどこの「意味の壁」を超えることのできる本は素晴らしく画期的な発想。
一つ一つ意味を理解して読んでいくための「ふりがな」というのは初学者において大発明であること間違いなし!JavaScriptはこれを使ったら明らかに効率的に学べるはずです。
以上、オススメな6冊をご紹介しました。これをすべて読めばプログラミング教育がわかる!というわけではありませんが、なぜプログラミングを学ぶのか、どんな効果があるのか、どんな思想があるのか、それらを徐々に理解することができるのではないでしょうか。
ぜひそれぞれお手にとって確かめてみてください!