マガジンのカバー画像

孤独な研究者の夢想

65
認知科学研究・最近読んだ本・統計など研究に関係することを書きます。
運営しているクリエイター

#書評

スキーマの違いを意識して合理的に学ぶ 【今井むつみ著 英語独習法】

楽してではなく合理的に楽しみながら英語の達人になろう ー今井むつみ(2020)『英語独習法』岩波新書 帯より引用 多くの人が悩む外国語、英語。 その英語を題材に合理的な学習法について紹介されている、 今井むつみ先生の新著『英語独習法』をご紹介します。 あなたの英語学習法は合理的?日本に住む多くの人は、学校教育の中で英語を学び、 もしかすると、その方法としてすぐ思い浮かぶのは、 ・単語・イディオム・文法を暗記する ・文章をたくさん読む ・たくさんたくさんできることをやっ

「生きた知識」をつくる「足場かけ」 【今井むつみ著 親子で育てることば力と思考力】

「中学・高校の6年間かけて学んできた英語、だけどあまりできるようになった気がしない」 「生徒に漢字や計算の方法を教え込んでも、なかなか定着せず、応用がきくようにならない」 そんなこと、よくありませんか? もしかしたらその英語の知識、外から教え込んだ漢字や計算の方法は、 「死んだ知識」になっているかもしれません。 今回は、人が学ぶときに必要な2つの力「ことば力」と「思考力」について、「人が学ぶ仕組み」と「実践へのアドバイス」が大変わかりやすく書かれた今井むつみ先生の「

学びへのIT活用に役立つ書籍4選

来年度からプログラミング教育が必修化されるなか、私たちの生活だけでなく学校にも深くテクノロジーは入りこんできています。 そうなったときに、どのような活用をすればよいのか、ということで迷うかもしれません。そうなったときに道標となるような本を4冊選びました。もし宜しければお手にとって呼んでみてください。 1.シーモア・パパート著『マインドストーム』 サブタイトルが「子供、コンピューター、そして強力なアイデア」ということで、教育の分野にテクノロジーを入れることを想定した著書です

SFはなぜこんなにも面白いのだろう。

今までこのNoteではたくさんの本の紹介をしてきました。 さらに、「物語」の文法まで紹介したりしていて「さぞかし物語が好きで文学少年であったに違いない」と思われるかもしれません。 でも、本を深く読み始めたのは大学生になってから。高校生までは「テニス」に明け暮れる少年でした。 私はどちらかというと本は苦手で、図鑑好きだったのですが、なぜかこれはハマる!という本がありました。それは「十五少年漂流記」でした。 なぜこれが面白かったのか、それは今になって思うと「現実の条件下で