【先週の不満ビッグデータ】(~2024/5/26)①どうなる、手紙を書く文化、②エアコン室外機の”安心”を
こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。
このnoteでの連載として「先週の不満ビッグデータ」をお届けしています。
この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週水曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。
先週の生活者不満(~2024/5/26)
Insight Techが運営する不満買取センターに寄せられる不満の声。注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」です。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。
先週は母の日を迎えた一週間だったこともあり、「母の日なのに」「母の日なんだから」と母の日に関する不満が多く寄せられました。また、食パンへの異物混入が発覚したことで改めて食の安全への関心が高まりました。
そのようななか、今週は①「手紙」、②「エアコン」に注目します。これらも先週増加が目立った意見です。具体的にどのような意見なのか、早速見ていきましょう。
①どうなる、手紙を書く文化
総務省の情報通信行政・郵政行政審議会が7日、25グラム以下の定形の封書に定める郵便料金の上限額を84円から110円に26円引き上げる案を承認しました。日本郵便は10月にも値上げを予定し、実現すれば消費増税に伴う措置を除くと1994年以来、30年ぶりの改定になります。
これを踏まえ、生活者からは「手紙」という言及がされた不満が多く寄せられました。
まず目立ったのは値上げ幅の大きさに関する不満です。84円が110円となると3割の値上げに当たり、値上げラッシュが続く中で、大幅な値上がりに驚きを隠せないようです。
また、この値上げに伴い、「もう手紙や年賀状、暑中見舞いや応募はがきを出すのは止めよう」と言った「手紙からの離反」ともいえる行動変容を表明する声も多く聞かれました。
一方で、「メールだけでは冷たいと思われてしまうのでは」と世代間の風習や価値観の違いに対する危惧も聞かれ、「手紙」の有り方を考えるきっかけにもなっているようです。
手紙の利用者が減る中で様々なコストが高くなり、値上げすることはやむを得ない、との共通認識はありそうですが、一方で、それを負担しきれない、という生活者心理があるのも事実のようです。
そのような心理から、生活者からは「値上げした理由をもっと発信して欲しい」「一律値上げ以外の方法はなかったのか」「送る距離で料金を変えられなかったのか」「コストカットしているのか見えない」などの声も寄せられました。
「値上げ」のタイミングは生活者からの不満が発生しがちですが、このタイミングを捉え、「なぜ値上げが必要なのか」「なぜこの値上げの内容なのか」「今後どうしていくのか」などを積極的に発信していくことが、値上げに対する理解度を高め、結果として納得感を通じた顧客維持、いわばマーケティングにおける「リテンション」が図られると考えられます。
手紙の文化に大きな影響を与えそうな今回の値上げ。ここでも生活者との対話がカギになりそうです。
②エアコン室外機の”安心”を
夏の訪れを感じさせる気温となる日が続いたことで「エアコン」に言及する不満の声が増加しました。
その中をみると、今年も、昨年に続き、「室外機」への機能改善・付加価値向上への声が多く寄せられました。引き続き「室内の快適」はもとより、室外機に価値向上の種が隠れているようです。
まず目立ったのは、昨年に続き、室外機の「音」への不満の声。
うるさくて寝づらい、との声も聞かれ、本来は快適にするための家電が結果として睡眠を阻害する一因になっている、という本末転倒ともいえるシーンも寄せられました。
「室外機の静けさ」はエアコンの魅力を高める要因と言えそうです。
それ以外にも室外機には様々な「こんなのあったらいいのに」という未充足ニーズの声が寄せられました。
「室外機に猫などの毛が付いてしまうから掃除しやすく」「室外機のホースから虫が入りにくいようにしてほしい」といった声です。エアコンをより”安心”して快適に使うための付加価値の種と言えそうです。
「エアコンの室外機が回っていないと不在であることが分かってしまう」という防犯上の”安心”への期待の声も聞かれました。
「空気を整える」ための機能でなく、生活シーン全体の”安心感”を高める室外機。まだまだ改善や付加価値の余地がありそうです。
マーケティングを考えるうえで、その商品・サービスの中心となる機能だけでなく、その機能が利用される生活シーンで派生的に発生する期待も捉えることで新たな価値を生み出せそうです。
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Insight Tech 伊藤
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