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不満買取センターへの声から”お年玉”にまつわる人々の不満を分析

あけましておめでとうございます。
Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

2024年の初noteは「お年玉」不満に注目したいと思います。
新年の風物詩となっている「お年玉」。生活者はどんなモヤモヤを抱いているのか早速見ていきましょう。

生活者のお年玉不満

不満買取センターに寄せられた不満のビッグデータを自由に検索・解析できる「不満ファインダー」を用いて、「お年玉不満」を分析してみました。

2019年12月以降で6,124件の「お年玉不満」が寄せられていました。「何に対する不満なのか」をAIで解析してみると、最も目立ったのは「お金」に関する言及ですが、それ以外にも、様々な言及があるようで、どうもお年玉不満には様々なお正月事情や世相が反映されていそうです。

2019年12月以降のお年玉不満の全体像

ポチ袋不満の背景に”少子化”あり

「お年玉の主役は子供」ということで、子供の人数別にお年玉不満の傾向の違いを見てみました。まず、意外だったのが、子供の人数を問わず「お年玉袋(いわゆるポチ袋)」に関わる言及が目立つことです。どうやらお年玉袋にはまだ「改善してほしい」「こんなのあったらいいな」という未充足ニーズが隠れているようです。

2019年12月以降のお年玉不満の定量分析(子供の人数別)

実際にお年玉袋に関する不満を見てみると、「少子化で渡す人数が少ないのにお店に売っているのは同じ柄が複数枚入ったお年玉袋ばかり」「一年で使い切れず、来年も同じ子に同じお年玉袋になってしまう」「違う柄がセットになったお年玉袋があればいいのに」という不満が目立ちました。

お年玉をあげる人が甥っ子ひとりしかいない。お年玉袋は1枚しか必要ないけど、1枚だけのは高い。100均で5枚入りを買うけど、毎年同じのを使うのも微妙だから、1枚しか使わず残りは捨てることになる。同じ相手に来年も渡してもいいように、5枚入りなら5枚とも別の柄が入っていたらうれしい。

お年玉袋、同じのが五枚とか入ってるけど、いろんな種類を混ぜて販売するよう改善して欲しい。同じだと来年同じ子に使いにくい。

お年玉袋について。 お正月が近くなってくると親戚の子どもたち用にお年玉袋を購入するけれど渡す子が少ないから買っても余らせてしまう。 余ったやつを翌年使おうとしても前の年と柄が同じになってしまうし使いにくい。 でも余っても使い道もなく困る。 何枚か入っているものでも柄が違うものが入っていたら余っても翌年使えるので同じ柄を複数枚ではなく柄が違うものを入れて欲しい。

まさに、「少子化」を反映したお年玉不満と言えそうで、このトレンドを踏まえた「ちょっとした商品企画の工夫」が未充足ニーズを満たす価値を生み出しそうです。

子供がいないのに、という不公平感

また、子供がいない方からは「子供がいないのに上げなければいけないのは不公平」との意見も目立ちました。なかには「自分は不妊治療しているのに」と言及された不満もあり、お子さんがいないことで居心地の悪い気持ちになっている様子がうかがえます。

独身の自分には子供がいないため帰省すると甥や姪に「お年玉」だけ取られてしまうこと。帰省する交通費だけで限界なのに

お年玉に不満です。私達夫婦には子供がいなく私が仕事をしてないのに、身内の未成年にお年玉をあげなければならい。兄夫婦には何もしてもらった事がないし普段から会う事もない甥姪にお金をあげるのは腑に落ちません。 

ご祝儀やお年玉とか、不妊治療をしていて子どものいない私は払ってばかりで損した気分になってきた。

お年玉袋、不公平感、などのお年玉不満を見ると、意外にも「少子化」というマクロトレンドがお年玉という伝統的な季節の風物詩に影響をもたらしていることが分かりました。

何より、親戚一同で無事に新年を迎えられることに感謝する気持ちを共有しつつ、だからこそお年玉を気持ちよく届け、しっかりと感謝を伝えるための工夫やこれを後押しするサービス・仕組みが期待されています。


デジタルお年玉の賛否両論

そのほか、電子マネーなどデジタルでお年玉を送る「デジタルお年玉」に関する意見も増えてきています。2020年度→2022年度の2年間で倍近くに増加しているようです。

デジタルお年玉に関する不満の推移

実際の不満を見てみると「デジタルお年玉」に関しては賛否両論あるようで、新しい文化として定着するかどうかの「過渡期」と言えそうです。

”デジタルお年玉賛成派”からは「ピン札・新札を準備するのが面倒だからデジタルでいい」「そもそも現金を使う機会が減っているからデジタルでいい」とキャッシュレス化を反映した意見が聞かれました。

お年玉もデジタル化してほしい。ピン札変えるのが手間。

お年玉のキャッシュレス化が広まって欲しい。年々、現金を使う機会も減っているし、いつでも渡すことができるので電子マネーで渡す方がいいと思う。

お年玉、まだ現金なので、1,000円札や5,000円札を用意するのが大変。 支払いは電子マネーにしているので、なかなか現金を使わないもので…。 銀行に行くのも寒いし、混んでいるしでなかなか面倒。

一方で”デジタルお年玉慎重派”からは、「確かに便利ではあるけどなんだか無機質でモヤモヤする」との声が聞かれました。

昨今はキャッシュレスが主流だが、いくら便利だからといって子供に渡すお年玉まで電子マネーにしてしまうとは無機質な社会になったものです。

甥っ子と姪っ子から、来年のお年玉は銀行振り込みか電子マネーにして欲しいとお願いされた。新札用意する必要もないし、手軽で良いとは思いつつ、何だかモヤモヤする。

お年玉は「健やかに成長していることを祝い、その一年を良い一年にできるようにとの思いを伝えるための手段」という意味では「新年のコミュニケーション」と言えます。

お金だけがデジタルで飛び交う、という姿であれば確かに”無機質”となってしまいそうですが、そこにお礼や激励のやり取りが伴い、記録されシェアされるような仕組みがあれば「お年玉のニュースタンダード」となり得そうです。


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Insight Tech 伊藤

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