【先週の不満ビッグデータ】(~2023/10/8)①「留守番禁止」条例案への困惑、②それぞれの「置き配」事情
こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。
このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。
この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週水曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。
先週の生活者不満(~2023/10/8)
注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。
先週はジャニーズ事務所の記者会見において指名NG記者リストが存在したことに対して多くの不満が寄せられました。ジャニーズ所属タレントを応援したい気持ちと企業としての在り様をいぶかしむ気持ちとで揺れ動く気持ちがうかがえます。
そのような中、今週は①留守番、そして②置き配に注目します。これらも先週増加が目立ったキーワードです。早速どんな不満だったのか見ていきましょう。
①「留守番禁止」条例案への困惑
先週、不満買取センターに寄せられた不満の声で「留守番」というワードが増加しました。埼玉県の自民党県議団が県議会に提出した虐待禁止条例改正案において、小学3年生以下の子供を自宅などに残して外出したり、公園などに放置したりすることを禁じた「留守番禁止」「放置禁止」の規定に戸惑った声です。
埼玉県の子育て世代以外からも不満が寄せられています。「親が引きこもりになるしかない」というように規定が現実的に対応できない内容であることを嘆く声が多く聞かれました。
加えて「留守番させなくて済むように子供を安心して預けられる施設やサービスを充実させてからにしてほしい」とルールの前提となる「環境整備」を優先して欲しいと願う声も聞かれました。
また、もしこの条例が実現しすると「親は働くことができなくなる」、「仕事を続ける選択肢を奪わないで欲しい」との声も聞かれ、多様化するライフコースに臨機応変に対応できる社会環境が必要とされ、一律対応することが難しいことも分かります。
子供を安全な環境で育てたい、という「大義」については誰も異論がないはずです。この「大義」を実現するために「ルール」を制定する場合は、そのルールの前提となる「環境整備が十分か」、また個々の世帯の「多様性が尊重されているか」を加味することが必要とされています。
②それぞれの「置き配」事情
先週は「置き配」に言及する不満も増加しました。
物流業界の人手不足が懸念される「2024年問題」の緊急対策として、玄関前などの「置き配」への誘導策としてポイント付与精度を政府が検討していることを受けての不満です。
まず目立ったのが「ポイントの財源」についてです。「置き配」にはデメリットや制約があることを考えると根本的な対策にならないのでは、との意見も聞かれました。
また、「置き配」は盗難や個人情報流出のリスクがあることを踏まえると安全に「置き配」が出来る設備が必要であり、これに対する補助がなければ効果が限定的あるいは不平等ではないかとの意見も聞かれました。先の「留守番」と同様に、新たなルールや仕組みを実効性あるものにするための「環境整備」が求められているケースと言えそうです。
また、「置き配」をする場合でも「濡れないようにしてほしい」「届けた場合の写真撮影要不要を選択したい」など個々の事情に応じたきめ細かい対応も求められています。この辺りはまだまだ改善の余地がありそうです。
そして実は多かったのは「マンションだから置き配したくてもできない」との声。玄関前に物を置いてはいけないルールがある、オートロックなので難しい、宅配ボックスの数が限られている、などの事情で現実的に置き配に対応できないとの声です。
これまでは「協力したくてもできない」という遺憾の気持ちでしたが、これに対してポイントが付与されるとなると、「やりたくてもできないのに不公平だ」との嫌気の気持ちに変わってしまい、ネガティブな感情が生まれてしまっています。
「置き配」についても先の「留守番」でみた構造と同様で、「ドライバーの負荷軽減」という「大義」には誰も反対しないはずですが、それへの「対策・ルール」を考えると、やはり【環境整備】【多様性への対応】が必要であり、結果として【公平性】を担保することも重要であることが分かります。
このことは公共領域でのアクションに限らず、実は、皆が気持ちよく動き、気持ちよく交わる上での普遍的なポイントなのかもしれません。
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Insight Tech 伊藤
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