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剣道の目的と本質 ー時代の変化と共にー

今回は【剣道の目的と本質】について考えていきたいと思います。


今現在も新型コロナウイルスによるスポーツ界への影響は大きく、剣道界においても多くの大会やイベントが中止・延期になっている状況が続いています。


特に夏の高校の祭典インターハイの中止の決定は、それまでそこを目標にして努力し続けてきた先生、生徒の心に大きな衝撃を与えたことでしょう。


インターハイは中止になりましたが、各都道府県でそれぞれ大会を実施するところもあり、生徒のみなさんはそこで自分の最高のパフォーマンスをすること、あるいは受験に向けて気持ちを切り替えたのではないかと思います。


私自身、小さい頃から剣道で日本一になることを目指し、もちろん高校時代にはインターハイでの優秀な結果を目指して努力を続けてきました。努力の過程には上手くいかないことの方が圧倒的に多く、私は何度も気持ちが折れかけた経験があります。

それでもなぜ

「剣道を辞めなかったのか」

それは自分で決めた【日本一になりたい】という大きな目標と、【剣道が好き】という気持ちがあったからでした。


しかし、今回のような未曾有の事態で大きな目標を失ってしまった生徒の皆さんは簡単に気持ちの切り替えはできなかったと思います。


指導にあたられている先生方も生徒のことを思えば胸が痛かったことでしょう。


ですが、このような状況だからこそ、これからは【剣道の本質】がさらに求められるのではないでしょうか?


剣道は『剣の理法の修練による人間形成の道である』とされています


多くの大会が無くなっていく中で私たちが今できることは、

【剣道を通して培ってきたこれまでの『過程』がどれだけ『人としての柱』をつくっていたのか】

という事と向き合うことであると思います。

”誰かに比べて自分は少し劣っている”

”頑張ったけれど選手になれなかった”

”勝たなければいけない”

”目標を失ってやる気が出ない”

剣道でも他のスポーツでも、続けていれば色々な経験をします。それは子どもであろうが大人であろうが同じです。私はこれまで、剣道を通して「勝利を目指す過程」が自分自身をつくってくれたと思っています。ですが、【当たり前にできていたことが、当たり前でなくなった】現状を踏まえ、改めて

”剣道とは何か”

”剣道を通して行う人間形成”

について考える必要性を感じました。



”上手くいかないことがあっても前向きに思考の転換ができる”

”自分の役割を認識して行動に移せる”

”失敗から学び次へと活かす”

社会に羽ばたいた時に、自分らしさを持って活躍していくためにも自分に”克つ” 経験は必要です。そしてそのような経験は”精神的な柱”となり個人の心を強くしてくれます。


私個人の気持ちとしては、剣道の技術だけでなく、これからさらに”克つ” ことの重要性を伝えることのできる指導者がもっと増えていって欲しいと思います。


私も経験してきたように、”勝つことを目指して努力する過程” が自分の中で大きな支えになる場合もあります。しかし、社会が大きく変わろうとしている今、それだけでなく ”剣道との向き合い方” ”剣道における人間形成”  についてもっと考え、時代の変化と共に指導の在り方について私自身もっと勉強していきたいと思います。


”【勝つ】から【克つ】へ” 


剣道がこれからも【人の人生をより豊にするためのもの】であることを願います


それではまた次回!





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