”質”を高めることの目的を理解する

私たちが取り組んでいる剣道コーディネーショントレーニングでは

「剣道の動きの質を高める」

ということを目的に掲げ日々実践しています

この ”動きの質を高める” とはどういうことなのか今回は説明していきたいと思います


スポーツや運動を行う時にはひとつの動作だけではなく様々な動作が必要となります


例えば、野球であれば「ボールを投げる」「バットを振る」「ボールを捕球する」などすぐに思い浮かぶ動作に加え、バントのようなバットコントロールの技術が必要となるものや、投手であれば変化球など、そのポジション(役割)によって必要となる動きや技術はたくさんあります


ポジションで役割が決まっているボール競技に対し、剣道では、相手と対峙し1対1で勝負をする個人競技なので必要となる動きは全員ほぼ同じと言えます


その必要な動きとは以下の3つです

竹刀を振る(打突)
足さばき(すり足)
体当たり

この動きの組み合わせで「相手との距離」をはかり「場面に応じた適切な技」を選択し有効打突を競い合うのです(上記の他にも必要な動きがある場合にはコメントにてご指導ください)


では、その剣道に必要な動きの ”質” を高めるとはどういうことなのでしょうか


まず、私たちの考える ”質” とは

今まで出来なかったことができるようになる
できる動き(技)の選択肢が広がる
得意な技の正確性・精度が高まる(今までよりも有効打突の回数が上がった)


これらの向上を私たちは『剣道の動きの質の向上』と考えています

ひとつずつ解説していきたいと思います


今まで出来なかったことができるようになる

みなさんは稽古をする時、いつも何を考えながら取り組んでいますか?

新しい技の研究ですか?

ライバルとの真剣勝負ですか?

それとも決められた練習を淡々とこなすことですか?

これは人によって様々だと思います。しかし、みなさんは必ず上達することを願って日々の稽古に取り組んでいるはずです。その時に大切になるのが、【イメージを体現すること】です

「〜選手のような面が打ちたい」

「(動画を見て)自分ならこういう風にしたな」

誰しも1度はこのようなイメージを持たれたことがあるのではないでしょうか

しかし、「自分には出来ない」「自分には合わない」「自分とはレベルが違う」などと挑戦する機会を自ら手放している人が少なくありません

まずは強い(上手な)選手のマネからでも、自分の持った【イメージを体現する】練習をしてみてください。そうすることで、「自分は〜の動きが苦手(できない)」というように、自分のできる動きできない動きを知ることができます。それが知れれば、あとはコーディネーションの7つの能力と合わせて苦手を克服するようにしていけば、できなかった動き(技)が少しずつでもできるようになると思います


自分の動きや技の引き出しが増えれば、今までよりさらにたくさんの【状況に対して対応する力】に活かすことができます。それが剣道の実践に活きる質の向上と言えます


できる動き(技)の選択肢が広がる

ひとつ目の「出来なかったことができるようになる」部分と似たところもありますが、これは説明の通り ”できる動き(技)” が多くなるということです

例えば、ひとつの技を見てみても、同じ打ち方だけでなく、【状況に合わせて打つ角度を変える】ことができたり【状況に合わせて振りのスピードを調整する】ことができれば、有効打突を得る可能性というのは格段に上がります。細かい技術のように感じますが、これらも「イメージを体現する」ように意識して稽古に取り組んだり、コーディネーション能力を意識していけば、自然と身体が覚えていきます


このように【状況に合った技術を選択する】ためには、より多くの ”できる動き”が必要となります。その”できる動き”を増やすためにもイメージ通りに体(竹刀)を動かせるようになることが、状況に応じた剣道の動きの質の向上につながるのです


得意な技の正確性・精度が高まる

できる動きや技が増え、それらを適切な場面で状況に合うように発揮できれば、これまでのあなたの得意な技はさらに磨きのかかった技へと進化します

得意な動きや技などは人によって違いますが、あなたの得意技を「この技だけは誰にも負けない」と言えるくらいのものに質を高めていくためにも、ぜひコーディネーション能力の部分を意識しながら、稽古やトレーニングで打ちの精度やキレを見直してみてください


これら全体を通して、私たちの目的である”剣道の動きの質を高める”ということがどのようなものか少しだけご理解いただけたと思います



最後になりますが


まず一番大切なことは、みなさんのご自分の道場で剣道の稽古をすることです。そして、道場での稽古に加えて、トレーニングをすることで動きの質は高まります


筋力トレーニングでもコーディネーショントレーニングでも道場での稽古以外のトレーニングは”アルバイト”と思ってください


アルバイトをしてお金を稼ぐ = トレーニングで体力(能力)を高める


例えば、欲しいものが1万円する場合、5千円しか持っていなければ欲しいものを買うことはできません。時間と労力はかかりますが、アルバイトをして足りない分のお金を稼げば、欲しかった1万円のものを買うことができます

トレーニングを行うのも同じで、今の技術ではできないことを目標とする場合、時間と労力はかかりますが、トレーニングをして必要な体力(能力)を高めていくことで自分自身の動きの質(技の質)を高めていくことができるのです

たくさんアルバイト(トレーニング)をして、たくさん貯金(体力をつけておく)をしておけば、それだけグレードの高い買い物(質の高い技・動きの習得)ができます

みなさんもトレーニング(筋トレやコーディネーショントレーニング)を行う際は目的をしっかりと考えて行うことで、今までよりも高い効果が生まれるかもしれません


剣道コーディネーショントレーニングがみなさんのお役に立てれば嬉しいです


剣道コーディネーショントレーニングの内容が気になる方はコメント欄からでも良いので連絡していただければと思います

また、サークルでの勉強会も行っていますので興味のある方はぜひどうぞ(^ ^)


【努力に勝る天才なし!】


それではまた次回







いいなと思ったら応援しよう!

Tomohiro Kanda
noteでは「サポートする」ボタンから投げ銭をしていただけます。記事を気に入ってくださいましたら、サポートしていただけますと幸いです。 いただいたお金はこの取り組みの活動費やオランダの子ども達にコーディネーションおよび剣道の道具をプレゼントするために、大切に使わせていただきます。