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スケジュールのリカバリー策〜クラッシング編〜【PM困り事シリーズ】
自己紹介で触れた通り、事業側のPjM・PdM初心者の方の悩みを少しでも解決していけるような記事を書いていこうと思っています。
今回からしばらく、PjM(プロジェクトマネージャー)のあるあるな困りごとをピックアップし、考えうる対策案など記していく予定です。
初回の本記事では、一番PjMが悩まされるスケジュールのリカバリー策について、話していきたいと思います。
スケジュールの遅延に関して、リリース・スコープをずらさずにリカバリーを図る場合、大きく2つの策があります。
1.クラッシング(リソースの増強)
2.ファストラッキング(タスクの並行実施)
上記はPjM経験者なら一度は考えたことがあると思います。魔法のような手法ではなく、ある意味"ベタ"な打ち手かもしれません。ただ、自分がPjMを経験してきたなかで、それぞれの留意点も踏まえて説明したいと思います。
1.クラッシングについて
開発や試験リソースを増強して、スケジュールをリカバリーすることです。2のファストラッキングより効果は発揮しやすいのですが、事業側のPjMとして、以下に留意しておきましょう。
①リソース増強に伴うコストの追加発生
②追加人員は、教育期間のリードタイムが発生する
③視野を広く持つ
①②に関しては、事業側のPjMとして「ベンダに寄り添う姿勢」を忘れないようにしてください。特に①のような追加コストが発生する場合、ベンダ側は相談しづらいものです。
むしろそういった相談を歓迎し、目標に向かってベンダと一緒に対策を考えられるPjMは優秀だと僕は思います。
③はクラッシングにおいてかなり大事な要素です。特にベンダの開発リソース増強がままならない場合、冷静に視野を広く持つ必要があります。
プロジェクトが炎上していると、冷静さを失い、取れうる対策の選択肢を見落としがちです。ただ、開発ベンダ以外にも頼れる先は色々あります。例えば、僕はwebアプリの開発が炎上した際、以下の対応をとったことがあります。
•フロントの単体試験に必要なスタブデータ作成について、サービス仕様を把握しているAPIやDBのチームに協力を仰ぐ
•内部試験項目書の作成に関して、ベンダのレクチャーのうえ外注する
•受入試験について、外注リソースを増強しスケジュールを圧縮する
•他部署の社員に、テスト版を触ってもらい、テストリソースを増強する
もちろんデメリットもありますし、他の部署を巻き込むので上司を上手く動かす必要はありますが、伝えたいのは「視野を広く持ち、解決策がないか足掻くこと」が大事だということです。
では、視野を広く保つためにはどうすればよいか?これに限った話ではないですが、仕組み化が大事だと僕は思います。
意識する、という曖昧な対策ではなく、例えば上司やチーム内の経験豊富なPjM、PMOに前広に相談する定例をセットする。定例という仕組み化により、他の人があなたの視野を広げてくれる可能性がグッと高まります。
他にも対策はあると思いますが、大事なことは仕組み化して属人性を少しでも避けることです。これは他の記事でも何度も伝えていくことになると思います。
以上、リカバリー策であるクラッシングについて説明しました。一見ベンダに依存しそうな対策ではありますが、色んなステークホルダーと接する事業側のPjMだからこそ打てる策があります。
視野を広く持つための仕組みを作り、最適解を粘り強く追い求めましょう…!
次回はファストラッキングについて説明していきます。拝読いただきありがとうございました。