実家の湯沸かし器が壊れる その11
その1はこちら。
https://note.com/tomohasegawa/n/n59bcd0be61d7
その2はこちら。
https://note.com/tomohasegawa/n/naf5e44adc409
その3はこちら。
https://note.com/tomohasegawa/n/n1a4bac5b28fa
その4はこちら。
https://note.com/tomohasegawa/n/n9e0d4914b4b7
その5はこちら。
https://note.com/tomohasegawa/n/n42426e90bb66
その6はこちら。
https://note.com/tomohasegawa/n/ne555869e8f13
その7はこちら。
https://note.com/tomohasegawa/n/na0abedbc7c5a
その8はこちら。
https://note.com/tomohasegawa/n/n84527c5c2eb6
その9はこちら。
https://note.com/tomohasegawa/n/necb0fa2135df
その10はこちら。
https://note.com/tomohasegawa/n/n3b3182aeb16f
Sさんは低いトーンで挨拶を済ませ早速要件に入った。「あまり良いお知らせじゃないんです...」。なんてことだ、へへ、でもよ、こんなヤバいときだっつーのに、おらワクワクしてきやがった。
「金枠の件でパロマさんから連絡がありました。在庫切れ、とのことです」。おら、ワクワクすっぞ!
「そしてその入荷時期なんですが、未定、一月は少なくともかかるかと思います」。...カネワク、来ないぞっ!心の中のドラゴンボール孫悟空がつまらない駄洒落を僕に言ってきた。クスリとも笑えない、そう思ったのか、直ぐに霧散した。
「ただ、まだ諦めてはいません」。みんな、オラにありったけの現金を可能な限り分けてくれ!たのむ!悟空がまた戻ってきた。こんなこと書いたら炎上するかもしれないだろ、消えてくれ!僕が彼を地球外へ追いやろうとする。炎上?ならその炎でお湯ワキワキするぞ!
「まず、欲しい金枠の品番がKAPH-13というのですが、Amazonで売ってたりしませんか?」。検索開始。Amazon内では全くヒットなし。それならグーグル全体での検索をかける。
“ガス給湯器 部材 パロマ KAPH-3(53231) 標準設置 給湯器”
あった!!??「...やはりKAPH-3ですか...それは違うんです」。金枠KAPH-13はこれだけ広大なネットの世界において微塵さえも見つけることは出来なかった。給湯器そのものならまだしも、それを取り付けるためだけの超マニアックな部品である。KAPH-13の画像検索では、給湯器設置の設計図が複数見つかった。何となくこのように設置するんだな、というのはわかったが、僕が設置するわけではないから無用である。暫く探し続けたが部品自体全く見つからなかった。
「わかりました。ならば最後の手段です」。ゴクリ。「KAPH-13に近い金枠をこちらで探してみます。リンナイさん、ノーリツさん、大きさがほぼ同じものを扱っているわけですから、それに近いものはそれぞれの会社にあるんです。ネジで固定する時のネジ穴の位置が違うとかはあるでしょうが、その時には別に穴を開けるとかして強引にくっつけちゃえばいい」。得てして最後の手段というのは大体ゴリ押しとなる。「給湯器がドカンって落ちなければいいんですよ」。Sさんによる不敵な言葉。僕もこんな時は大胆に同意するしかない。
「近い金枠、手に入ったらご連絡します。2月4日午前9時の給湯器設置のスケジュール、変更しませんから!」。
1960年代。メンバー皆が髪をバッチリ決めていた床屋時代のパーラメンツ。そのコーラス・グループのリーダーであった若きジョージ・クリントンは、僕が好きなこの言葉をその頃から使い始めていたはずだ。
Free your mind... and your ass will follow.
なるようになるさ。今まで僕はそう意訳していたんだけど、今日この日だけは、ワクワクしろよ、そうすりゃお湯がワキワキするぜ、と超訳することにした...スペシャル・サンクスだぜ、悟空。
続く
その12、最終回はこちら。
https://note.com/tomohasegawa/n/n6cc0420bc5a3