プリンス:ニュー・パワー・ジェネレーションの誕生 その8

割引あり

15.リーヴァイ・シーサー・Jr.

 89年夏はリーヴァイ・シーサー・Jr.にプロデュース、曲提供の仕事があった。T.C.エリス、そしてエリサ・フィオリオのアルバム等のためのものだ。既に7月上旬のレコーディング「Good Man」を筆者はレビューしているが、リーヴァイとロージー・ゲインズの作曲ながら、プリンスのヴォーカル・ヴァージョンが存在するので、リーヴァイとプリンスとの最初期の作曲コラボと言えそうだが、果たしてどうだろうか。

参考:
プリンス:ニュー・パワー・ジェネレーションの誕生 その4 10.第2期フラッシュ・セッション

 ここでリーヴァイ・シーサー・Jr.のプロフィールをprincevault等を中心にまとめる。
 カリフォルニア州リッチモンド出身のリーヴァイは、6歳の時に祖母の教会でギター、ベース、その他の楽器を演奏。そして彼が10代の頃にシーラ・Eに出会い、一緒にベイエリアやその周辺のクラブでプレイしていた。シーラがプリンスと契約した際に、リーヴァイは当初彼女のバンドには参加しておらず、カーティス・オールソンのバンドにいた。その時期にリーヴァイはソウル・トレインの司会者ドン・コーネリアスと出会っている。ドンがエグゼクティブ・プロデューサーを務めた85年のロージー・ゲインズのファースト・アルバム『Caring』にはギターとベースでカーティスのクレジットがあり、リーヴァイも「Frustration」と「Wake Up」の2曲でギターを弾いている。尚ロージー・ゲインズはカーティス・オールソンのバンドにも所属していたそうだ。『DPSDE』のブックレットで、95年にBET局の取材に対してロージーは、❝リーヴァイ・シーサーは、私のバンドに3年くらい在籍していた。そうしたらシーラ・Eが私のバンドから引き抜いて、それをさらにプリンスがシーラ・Eのバンドから引き抜いたのよ❞、と答えているが、シーラと幼馴染のリーヴァイなのになぜロージーのバンドが先なのかと思っていたのだが、やっとその流れがわかった。カーティスのバンド、ロージーのバンドが共有関係になっているのだと思う。そしてリーヴァイがシーラのバンドのベースだったベンジャミン・リートフェルトに代わって参加したのが、85年にシーラがサポート・アクトを務めたパープル・レイン・ツアーの後である[拙著『サイン・オブ・ザ・タイムズのすべて』ではパープル・レイン・ツアー中となっていた。お詫びして訂正する]。

参考:
https://www.discogs.com/ja/release/397544-Rosie-Gaines-Caring
プリンス:サイン・オブ・ザ・タイムズのすべて P170

 尚シーラのパープル・レイン・ツアー時のメンバーは以下の通り。

Juan Escovedo - percussion
Eddie Minnifield - saxophone
Karl Perazzo - drums
Ken Grey - keyboard
Susie Davis - keyboard
Benjamin Rietveld - bass
Miko Weaver - guitar
Stephen Birnbaum - guitar

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