医者も匙を投げたくなる患者はここにいます。
これは医者に匙を投げられかけた患者のノンフィクションストーリー。
あの日は朝からずっと希死念慮に心が支配されていた。
その頃から幻聴がはっきりと聞こえるようになっていた。
「死ねば?」「デイケアに行くな」「なんでこんな所にいるの?」こんな感じの内容だ。
気づいたら幻聴と会話してる自分がいた。
これには驚いた。自分が自分じゃなくなると感じた。
幻聴と希死念慮に苦しんだ私は『もう死のう』と思って朝病院に向かった。
でも心の奥底で『まだ生きたい!』と叫んでる自分も居た。
どっちの自分に従えばいいのか分からなくなった私は、「もう死ぬって言えば先生、なんとかしてくれないかな」と、藁にも縋る思いで診察を受ける事にした。
……診察時間になった。
「幻聴が苦しい。もう死にたい。会社の産業医は私を辞めさせる気でいると思う。そんなの生きている意味ない。でも入院したら死ねないから入院はしない。」と簡単に箇条書きで書いた今思えば支離滅裂なメモを先生に突き出して診察室から走って逃げた。
看護師さんは追いかけてこなかった。
私は見捨てられたんだと思った。
デイケアに参加してた私は、デイケアに戻ってスタッフさんに事の経緯を説明した。
すると、外来にかけあってくれて、私の診察が終わっていることになっているのか確認してくれた。
先生は、私を診察扱いにしてなかった。
もう一度診察を受けさせて貰えることになった。
先生に見捨てられたと思っていたからとても嬉しかった。
再診察で、私は思わず立ち上がって伝えたいこと、先生に渡したメモに書いた内容を説明した。
声も荒げて。
必死に訴えた。
私『もう死ぬ!でも入院はしない!!!』
先生『死んだらダメだ!少し入院して休みましょう』
私『いやだ!入院したら死ねなくなるもん!!!』
先生『死ぬのはダメです』
攻防戦が続いた。今思うとすごく迷惑で意味の通らない事を必死になって説明していたと思う。
バカだったなぁ私。
本当は強制入院でもなんでもいいから私を止めて欲しかった。
私はイライラして、思わず、「もうっ!」と言い、
診察室の椅子を投げ倒した。
すると先生は、そんな私を見て
先生『私はどうすればいいんですか』と一言。
ついに私は匙を投げられてしまった。
死にたいと訴えるが、入院も絶対しないと言う。
冷静に考えたら何言ってんの?と思う。
こんな患者、迷惑でしかないのは分かっていた。
少し先生を試していたところもあった。
こう言ったら先生はどんな反応をするのか?
その日は入院にならなかったが、次の診察で
自ら入院することになる。
この事についてはまた後日noteにまとめようと思う。
医者に匙を投げられかけた?投げられた?
私の話でした。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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