【読書録】土井善晴さん著書「味つけはせんでええんです」を読んで
こんにちは、ともです。
土井善晴さん著書
「味つけはせんでええんです」を読みました。
味つけをしなくていいなんてどういうことだろうと、
タイトルが気になりますよね。
勝手にですが、シンプルな料理を紹介した本なのかな~と思って、
気軽に開いてみたら、まったく全然違いました。
思いのほか深い話だったのです。
料理ってこんなにも奥深いものだったんですね。
人間の誕生から宇宙にまで広がってゆくのがすごいです。
料理が人間を作ったのかもしれないなんて…。
生きることは料理をすることだったとは、
頭をガツンとやられた思いです。
一汁一菜という有限のなかに無限があり、
有限であるからこそ、その中で自由にさせて頂いていたのです。
まさに、お釈迦様の手のひらの上で転がされていました。
人は料理に生かされていたんですね。
贅沢なものが食べたいとか、
寿司だの牛肉だのスイーツだのとか、
いつも言っていましたが、
本当の贅沢はそこじゃないのか?と思えてきました。
自分の手で作り上げ、自分で食すことができる贅沢さ。
そして、自然はいつでも、
こちらが味つけしなくても、おいしくしてくれていたのです。
テクノロジーがいまよりもっと進化をし、
もし、AIやロボットが料理をしてくれて、
食材選びから味付けから完璧においしくしてくれて、
片付けも代わりに全部やってくれたら、
楽で便利で美味しいのだから、
そっちの方がいいに決まってる、と、
ちょっと前までは思っていました。
でも、この本を読んでしまった今は、
どんなにお金を積まれても、
自分で作ったあんまりおいしくない料理を選ぶかもしれない。
なんなら、後片付けも全部こちらがやりますから、
逆に、ロボットに自分の手料理を食べて頂く日がくるかもしれない。
本気でそう思えてくるから不思議です。
そうやって、自然の中の一部として自分があり、
料理をし、自分で食べる、後片付けをする。
この繰り返しの中にこそすべてが詰まっていたんですね。
味つけとかそんな次元のことではなかったのです。
だから味つけはせんでええんですね。