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【生きるための学びを!】東大ロボPJリーダー新井紀子さんの書籍を読んで

こんにちは!

今回は東大ロボPJリーダー新井紀子さんの書籍を2冊紹介したいと思います。

東大ロボPJですが、「2016年度までに大学入試センター試験で高得点をマークすること、また2021年度に東京大学入試を突破すること」をターゲットに人工知能の研究活動を進めたPJです。

ただし、東大二次試験を受けるための足切りの点数には届かなったことやロボットが文脈や複雑な文章の意味を理解するには2016年時点の技術では難しいため、東大受験のPJは凍結となっているようです。

※センター試験レベルではMARCHと呼ばれる大学の一部の学部を突破できるレベルに到達していたようです

PJは凍結されましたが、新井さんの問題意識は重要だと思います。

・AIに多くの仕事が置き換えられるという議論があるが、AIでは何が得意で、一方何が苦手なのかをしっかりと把握するべき

・AIが苦手な点こそ人間が強みを発揮できるポイントであるが、本当に人間はその強みを発揮できるのか

そもそも新井さんの書籍を知ったのは、出版社に勤める知人が進めてくれたからでした。

「生きるための学び」を考える際に新井さんの著書は重要な視点を提供してくれています。

本日は「AI vs 教科書が読めないない子どもたち」「AIに負けない子どもを育てる」の2冊を紹介します。

日本の中高生の読解力は危機的と言ってよい状況にあります。その多くは中学校の教科書の記述を正確に読み取ることができません。
(中略)読解力というような素養は、ほとんど高校卒業までには獲得されます。
中高生の読解力が危機的な状況にあるということは、多くの日本人の読解力もまた危機的な状況にあるということだと言っても過言ではないと思われます。
さらにそれは日本人だけの固有の問題とも思えません。

AI vs 教科書が読めないない子どもたち

まず現在のAIと呼ばれている技術は「意味を理解することが苦手」です。つまり、人間が成長の上で培う「読解力」「理解力」の獲得は困難であり、人間はこの点に強みを発揮できるはずなのですが、中高生がRSTという読解力を図るために設計されたテストを受け、結果を確認してみると、危機的状況にあったと警鐘をならしています。

ただし、「現代の」中高生だけでなく、多くの世代にも当てはまり、また国際的なテストで高得点を取っている日本でこうした状況ということは、他国でも危機的状況に変わりないと捉えています。

教科書と言うのは検定教科書と呼ばれる通り、多くの学者の方が参加し、内容の検討を行い、生徒に理解できるかを考えて作られているものです。

それを理解できない層が一定数いることについて驚くとともに、「基礎学力」向上の上で、欠かせない要素と思いました。

かく言う私も高校時代に数学の教科書を理解できませんでした。。。

コンピューターは計算機ですから、できることは計算だけです。計算するということは、認識や事象を数式に置き換えるということです。
つまり、「真の意味でのAI」が人間の同等の知識を得るには、私たちの脳が、意識無意識を問わず認識していることをすべて計算可能な数式に置き換えることができる、ということを意味します。しかし今のところ、数学で数式に置き換えることができるのは、論理的に言えること、統計的に言えること、確率的に言えることの3つだけです。

AI vs 教科書が読めないない子どもたち

AIに限らず、コンピューターの強みは計算のスピードが圧倒的に早いという点にあります。また膨大なデータを扱うことができますし、機械学習の様にそのデータから数学モデルを導きだすことができます。

一方でこうしたコンピューターが計算した結果を理解し、次の行動に結びつけていくのは人間の仕事であることは変わりません。

過度に恐れず、ツールとして使いこなしていく姿勢が求められるのではないでしょうか。

機械学習ですが、高校数学+大学数学の一部を理解すれば、ついていくことが可能です。

最近、早稲田大学の政治経済学部が数学必須としたことが話題になっていますが、文系と言えども数学が必須になる流れが高まるのではないでしょうか。

また文系は数学2Bまでですが、数学3まで必須にしても良いのではと個人的に思います。

ただ、受験のための数学ではなく、人生に役立てる数学と捉えて学習するとより学ぶ意義が高まります。

人間がコンピュータと本質的に異なり、そして優れている点は、「意味が(なぜか) わかること」と「欲求があること」と「全力で怠けようとする」というところではないかと思います。

AIに負けない子どもを育てる

意味がわかると言うのは、論理的に説明できないことですが、すごい能力だと言うことです。当たり前の様に人間は獲得できていますが。

また、意味がわかるだけでなく「空気で察する」というのも特殊能力ですね。

著者は欲求があることも人間の優位な点だと捉えています。欲求があるからこそ、「頑張ろう」と思う。この欲求はマズローが挙げた様に物理的な欲求から精神的な欲求までを意味します。

※生理的欲求→安全の欲求→社会的欲求→承認欲求→自己実現欲求

そして、全力で怠ける、だからこそ様々な発明を行ってきたのだと思います。

今後よりAI(人工知能、機械学習)が社会で適用されていきます。翻訳もGoogle翻訳を利用すれば、かなり精度の高い翻訳が1秒以内で返ってきます。

「生きるための学び」を考えるのであれば、ツールを活用しながら、ツールの翻訳が間違っているかを人がチェックし、正しい答えに到達できれば十分だと思います。

ただし、意味が分かるという人間の持つ優位性を意識して育成することも同時に求められます。読書も重要ですし、口語によるコミュニケーションも重要だと考えています。

両方の書籍ともに教育についての書籍であり、難しい数式などは登場しないので、興味があれば是非読んでみてください!

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