『第1回ともあすか国際映画祭』受賞作品
2022年に観た映画48作品の中から、音楽賞・主演賞・監督賞そして作品賞を決める企画「ともあすか国際映画祭」。
受賞作を決めたので発表します!
音楽賞 受賞作品:『ラストエンペラー』
(1987年、イタリア・中国ほか合作)
音楽:坂本龍一ほか
この動画で流れる曲(坂本龍一作曲)は、前半と後半に分ける事が出来る。
前半は「Main Theme」であり、後半は「Where is Armo?」という曲である。この二曲がこの映画を強力に支えている。
「Main Theme」はいかにも中国という雰囲気であるが、気だるさや重苦しさが濃厚であり、アヘンに沈んだ清(と溥儀夫人)の悲しみとやるせなさを増幅させる。
「Where is Armo?」はジブリ映画のサントラの切なさを持っている。乳母への強烈な恋慕、リアリティある「永遠の別離」を立体化する音楽だと思う。
次点『ひまわり』(ヘンリー・マンシーニ)の音楽も素晴らしかった。メインテーマもさることながら、「The Search」という曲が物凄く悲しい。ソ連のひまわり畑を列車から見ている場面で流れる曲だが、何万本というひまわりの下には無数のイタリア兵とソ連兵の遺体が眠っているのである。この場面でカメラは異常に揺れ、音楽は爆音になる。ひまわりは笑っているようにも、怒っているようにも見えた。
主演賞 受賞者:ホアキン・フェニックス
主演作:『ジョーカー』(2019年、アメリカ)
ジョーカー役としてはヒースレジャーやジャックニコルソンが有名だが、私はホアキン・フェニックスが抜群に素晴らしいと思った。
クライマックスは「階段でのダンス」だと思うのだが、美しい姿である。
日本もこういうさっぱりした「悪映画」を作ってほしいなあ。
監督賞 受賞監督:デヴィッド・ロウリー
作品:『ア・ゴースト・ストーリー』(2017年、アメリカ)
作品賞 受賞作品:『ア・ゴースト・ストーリー』(2017年、アメリカ)
監督:デヴィッド・ロウリー
配給会社:A24
主演:ケイシー・アフレック、ルーニー・マーラ
音楽:ダークルームス
この作品を観たのは2022年10月29日。
4×3という少し前のTVのような独特の画角。
ゴーストの姿かたちは何故か観ているだけで悲しくなる。ファンタジーであり、荒唐無稽なようで、こんなに真実味のある映画もなかなかない。主題歌もありきたりの今風ポップのようで、しかし聴いていると鳥肌が立ってくる。
亡くなった人の気持ちはこんなにも寂しいものなのかと、涙がこぼれる。慰めてやりたくてもどうにも出来ない。
『ラストエンペラー』も『ノマドランド』も素晴らしかった。
『ぼくの伯父さん』も、コメディ映画の聖典のような、何度も見ることでその都度人間が更新されるような凄い作品である。
うまくまとめられなかった感想は今後「映画感想」でぼちぼち書いていきたい。
参考までに私が2022年に観た48作の地域×時代分布図(PDF)を添えておきます↓↓↓
読んで頂いてありがとうございました!
今年もよろしくお願いします!
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