この時代にまだ「育休を取るつもりはない」って笑ってた田中(仮名)よ。全力で育休を説明するからよーく聞いておくように!
妻が妊娠したと喜びの報告をくれつつも「いや、育休は無理だな〜」とヘラヘラ笑っていた田中(仮名)よ。令和のこの時代に、そんなことを平気で言ってしまうなんて。。。
6月3日。つい先日衆議院で男性版産休を含む改正育児・介護休業法が賛成多数で可決・成立したことを知ってるか?
え、知らないって? 男性版産休なんて聞いたこともないって?
そもそも育休やら産休やら取れるのは、めぐまれた大企業の社員だけだって?
▷ 男性育休はいま、広まっていってる!
確かに田中がそう思ってしまうのも無理はないかもしれない。2019年の調査でも男性の育休取得率はわずか7.48%に留まってる。
「男性も育休を取ろう!」なんて言っていても、なんでこんなに取る人がすくないのか。そもそも男が子どもが生まれたからって休む必要ってないんじゃね? なんて思ってないよな。
夫である田中がわざわざ大切な仕事を休んででも、妻や子どもと一緒に過ごすことがどれだけ大切なことか! そこんとこ、くどくど説明していくからじっくり聞くように!
▷ マジで「命を守る」のが男の産休・育休だから!
いきなりだけど、一番大事で重たい話からするよ。
産後一年未満の母親の死因第一位はなんだと思う?出産による身体のダメージ? 事故? 何かしらの医療的な問題?
違うよ。それは「自殺」なんだ。
そしてもうひとつ。悲しいデータがある。それは、他殺による死亡者数を示したデータなんだけど、ダントツの一位が0才児だってこと。
これは虐待によるものが多いとのこと。
これらから浮かび上がって来るのが「産後うつ」の問題なんだ。
先に注意しておくと、産後うつになったからと言って必ず虐待につながるわけじゃないから、そこは誤解をしないで欲しい。
でも、産後うつは全く「他所の人の話」なんかじゃないし、この24%の中の2/3のママが自分がうつかもしれないっていう自覚がなかったということからも、油断して甘く見てはいけないことなんだ。
自覚がないまま、滑り落ちるようにうつ状態になってしまうってのは本当に恐ろしいこと。「転んで骨折しました!」みたいなわかりやすさがない分だけ、自分でどうにかしようとしてしまうことが多いんだ。
実際わが家でも、妻が今思えば産後うつっぽくなっていたのかなって思うことがあった。
▷ 産後1ヶ月で妻がギリギリのところに追い詰められた
産後1ヶ月くらいのころ。それまでぼくも休みを取りながら過ごしていた。そしていよいよ仕事復帰となり、その一発目が出張だった。
「出張とはいえ、一晩ほど家を空けるだけだし、サポートで友人もヘルプに来てくれるし大丈夫だろう」って、出張に出かけた。
ところが、翌日の夜。出張先から20時頃に戻ったときに異変はすでに起こっていた。
真っ暗な部屋で妻が、泣きじゃくる娘をあやすこともしないで抱きかかえたままぼーっと突っ立ってたんだ。
そのときの姿は、いまでも忘れられない。
幸い虐待とかの大事は何も起こらず、そのまますぐに抱っこを変わって事なきを得ることができた。
全てに疲れ切った妻は、ぼくに娘を渡すと「アイス食べてくる」と言ってすっぴんパジャマのままコンビニに出かけて30分くらい帰ってこなかった。
その間、まだ泣いている娘にミルクをあげたりオムツを替えたり、抱っこしたりしながら待っていたんだけど、なかなか帰ってこない妻が事故にでもあってないかって、そっちも心配でしかたがなかった。
いま思えば、あのとき妻は「産後うつ」に片足を踏み込んでいたのかもしれない。
でもね。
もしもあの時、ぼくが育休を取って一緒に1ヶ月を過ごしていなかったら。
妻の疲れ切った様子を「なにを大げさな!」って思ったかもしれない。
「泣いた娘を押し付けてアイス食いに行くってなんだよ!?」なんて思ったかもしれない。そもそも「泣きじゃくる赤ちゃん」と2人きりでたったの30分すらもまともに過ごせなかったかもしれない。
出張を受け入れてしまったことは、いまにして思えばまだ早計だったかもしれないし、出張中の遠隔からのケアだってもっとできたかもしれないという反省点はある。それでも、妻の疲れたSOSをすぐに受けて、子どものケアもなんの心配もなく受け入れられたことは、せめてもの救いだったと思ってる。
そして、その日だけでなく、その後一緒に協力し合えたのは、それまでにちゃんと一緒に育児をする体制を作ってきたからだと思ってる。
ちなみに産後うつの3大要因は、
・ホルモンの急激な低下
・睡眠不足
・家族(パートナー)のサポート不足
だって言われている。
そう言えばちょっと前に「産後うつは甘え」なんて言った女性議員が炎上してたこともあったね。よもや、そんな話を真に受けるなんてないと思うけど、何も知らないオジサン上司が「俺の頃は嫁さんが全部ひとりでやって、なんの問題もなかったよ。育児なんて母親がしっかりしてれば大丈夫なんだよ」なんて愚かなことを言い出すかもしれないね。
そんな上司や会社のために、自分の大切なパートナーや子どもの命を危険にさらすなんてこと、選択肢として天秤にもかけられるわけないよな?
この表に表されているようにホルモンの急激な低下は、甘えや気合いの問題じゃなくて身体の変化だ。これは起こってしまうのだから仕方がない。だけど、睡眠不足や家族のサポートは、田中の協力があればずいぶん助け合える。
いいかい? 夫の君が育休を取って妻と一緒に育児をすることは、大げさでもなんでもなく妻と子の命を守る行為なんだよ。
▷ 収入が減るのは困るんだよ!?
「子どもが生まれたんだから、がんばって稼がないとね」
違う違う。がんばって稼ぐんじゃなくて、実際のところはこうだ。
「子どもが生まれたんだから、これまでみたいな自由でイケイケでバリバリな働き方を見直さないとね」
これは特別な正論なんかじゃなくて、君がこれからずっと向き合っていかなくちゃいけない超現実的な課題なんだ。
でも、そのために育休を取ったりしたら、その間の収入が心配だって?
そうだね。よく分かるよ。実際、ぼくが妻の産後1ヶ月で出張を受けてしまったのも「収入」っていう現実的な問題があったからだ。
だけどね、ぼくはこの収入に関してこそが、一番田中のうらやましいところなんだよ。
▷ およそ9割の手取りが受け取れるって知ってた?
じつは育休中は実質およそ9割の手取りが受け取れるようになっているんだ。
育休中、なんと6ヶ月間は67%が雇用保険から育児休業給付金として支払われる! (※ 所得制限あり 賃金月額上限44万9700円程まで)
そしてそれ以降は12ヶ月まで50%が支払われる!
「なるほど、67%かぁ。って90%なんか受け取れないじゃん!」と思うかもしれないけど、給付期間中はなんと社会保険料が免除になるのだ。
その結果、およそ8〜9割の手取り収入が保証される。
で、さらに何がすごいってその最大限の給付金が付与される育児休業期間が他の国と比べても圧倒的に長いってのが特徴。
緑色のグラフが男性。30週も最大限の給付金がもらえる期間がある。
さらに、最大限以降も含めると日本の男性育休がいかに恵まれた制度かってのがよくわかる。
もうね、世界一! 世界一給付金が保証されてるのよ。日本の男性育休って!
それじゃ、たったの7%とは言え日本の男性の育休取得率は世界的に見ても、じつは多いほうなんじゃないの? なんて思った?
ちがうんだよ、日本はちょっとびっくりするくらい男性が育休を取得しない国ってことを知っておいて欲しい。
ノルウェーやスウェーデンはなんと85%ものパパが育休を取得しているのだから、むしろ取得していない方が「なんで!?」と思われるんじゃないかな。
ドイツだって35%ほどと、ノルウェーなどに比べれば少ないものの日本の7%と比べればなんと5倍だ。
「北欧の国って、子育てに優しくて、福祉も整ってて充実してるんだろ」って? たしかにそういう一面だってあるかもしれない。けど、じつは日本の育休って世界一なんだから活用しない方がもったいない。
ぼくみたいな自営業のフリーランスには、この育休制度は使えない。
なぜなら雇用保険から給付金がまかなわれるから。
だから、ぼくが1ヶ月取った育休は、正確には育休じゃなくて育児のために仕事を休んだだけってことだ。もちろん、その間無収入だよ。
おおよそ9割もの手取りが受け取れる。
しかも、その期間が世界一長い。
もはや、取得しない理由がぼくにはさっぱりわからない。
でもね、気ままな自営業にはない会社人ならではの難しさがあるって言いたいんだろ? 制度があれば利用できるなんて、簡単な話なんかじゃないんだって?
▷ 男性が育休を取らない理由!
田中(仮名)は「育休、とらないな〜(笑)」って笑ってたけど取りたいって思ってる男性は多いんだよ。
制度もある! 取りたいって期望もある! じゃ、なんで取れないのか。
1位:人手不足
2位:会社で育休制度が整備されてない
3位:取得しにくい雰囲気
4位:自分しかできない仕事がある
5位:収入を減らしたくない
さて。この中の5位、収入の問題はもうクリアされたはず。
次に見ていきたいのが、2位の会社に育休制度が整備されてないってこと。
これはとんでもない誤解だし「大企業は色々整備されてていいよね。うちみたいな中小はダメだな〜」ってのが間違っているってことを説明したい。
説明は一言ですむ。それは。
育休は法律で定められており、企業の制度有無に関わらず取得できる。
(※ 一部条件あり)
のです。もちろん自分が会社内で男性育休取得第一号となれば、取得のノウハウも知識もない状態からのスタートになるので、人事や上司とのやり取りが大変だとは思う。
だけど、それを乗り越えたら次からは他の男性社員だって育休を取得しやすくなる。会社のためにも、後に続く男性社員のためにも挑戦しない手はないとは思わないかい?
そして、1位の人手不足と、4位の自分にしかできない仕事がある。
これは、経営上の大きなリスクと言われている。そもそも仕事が属人化して誰にも引き継げないとなると、事故や病気のときはどうすればいいんだろうか? 育休はそうしたこととちがって何ヶ月も前にわかっているんだ。数ヶ月かけて準備をするのは、今後の両立生活のためにも大いに価値があると思う。
人手不足。これも大きな問題だと思う。けど、じつは男性社員が育休を取得すると両立支援等助成金という助成金を会社は受けることができる。
取得社員への所得も、会社が身銭を切って支払うのではない。そうすると社員がいない間の人手不足をどうにかするための資金と時間は会社にはあるはず。
これを機に、自分の業務の棚卸しをし、引き継ぎについて徹底的に考えて働き方を新たにしていくのも、田中にとっていいチャンスかもしれない。
残るは、3位の「雰囲気」だ。
なんだかんだで、これが一番大きいような気もする。
この本を読んだことは、、、ないよね。育休を取らないな〜と笑っているくらいだから、田中は読んだことがないに違いない。
もう、いますぐリンクから飛んで買って読んで欲しい。それくらいの名著だよ。とくに、田中に言いたいのは。
育休パパの勇気は「伝染」する。 P149
ということ。
今では8割近いパパが育休を取っているノルウェーだけど、昔はたったの3%だった。それを給付金の改革などで35%まで増やしたのだけど、それ以上になかなかならない。
理由は日本と同じ。雰囲気。
ノルウェーのパパたちも、会社や同僚からどう見られるかが不安だったんだ。
で、それをどうやって乗り越えていったか。
一部の勇気あるパパたちが、少しずつ取得して、その環を広めていったんだ。
・こうした勇気あるお父さんが同僚あるいは兄弟にいた場合、育休取得率が11〜15ポイントも上昇した
・会社の上司が育休を取ったときの部下に与える影響は、同僚同士の影響よりも2.5倍も強い
※ 「家族の幸せ」の経済学より抜粋
田中の一歩が、会社を大きく変える一歩になるかもしれない!
▷ 夫婦仲良く、って当たり前なんかじゃないんだぜ?
そろそろ育休を取った方がいいって気持ちになってきたかな?
ここでダメ押しの一発をお見舞いしよう。
産後に離婚の二文字が浮かんだことはありますか?
こんな質問を、産後のママに聞いたとしよう。どのくらいがYESって答えると思う? 産後のママだよ? 子どもが生まれたばかりで、幸せいっぱいで、これから夫婦で協力し合いながら助け合いながら、新しい家庭を築いていかなくちゃ!って思っているであろう、産後のママにだ。
正解は、
YES:52%
※ 認定NPO法人マドレボニータ 産後白書より
約半分。2人に1人のママが「もう今後お前とはやって行ける気がしない」って思ったってことだ。
そしてもうひとつ。
出産直後に、女性の夫への愛情は急降下する。でも、問題はその後で、そこから回復していくグループと降下を続けるグループとに分かれていく。
田中はどっちのグループに入りたい?
妻からの愛情を回復させたければ、やるべきはひとつ。
産後からちゃんと育児にコミットすることだ。
もちろんいつからだって、家事育児にコミットすることは夫婦間の信頼関係を育むのに効果的だと思う。でも、子どもが生まれるこのタイミングこそが一番効果的でベストなタイミング。これをむざむざ逃す手はないと思うよ。
▷ ところで、育休取るならいつ、どのくらい?
もし、田中が育休を取るとしたらいつの時期に、どのくらい取るのがいいと思う?
多くのパパは1日〜1週間らしい。
って、おいおいちょっと少なすぎやしないかい? 仕事の棚卸し、業務改善、数ヶ月かけた徹底的な引き継ぎをしてとか、上司や会社の理解を得てとかファーストペンギンになって育休文化を社内に広めていこうぜとか言ってきたけど、これじゃ大げさにひとりで騒ぎ立てたみたいじゃないか。
いや、わかるよ。1ヶ月も2ヶ月も休めるわけないだろってんだろ。
1週間休めただけでも奇跡だって言うんだろ?
でもさ。奇跡はね、赤ちゃんが生まれた時点ですでに起こってるんだよ。そっちの方がずっと奇跡だ。
厳しいこと言うけどさ、1週間休んで育児して「育休も取ったし、ぼくたちは子どもを育てるための対等なパートナーだね」って言える? 言えないよね? え、言うつもりもない?
「そんなこと言うつもりもないよ。だっていつも家事に育児にフルコミットしてくれているママに申し訳ないよ」
って思ってるんだったら、そりゃあかん!
育休を取ろうが取るまいが、田中、お前は子どもが生まれたら育児を共にする対等なパートナーになんなくちゃいけないんだよ。
「申し訳ないよ」じゃないんだよ。申し訳ないのは、君のその「俺なんて育児のパートナーなんて大層なものには役不足ですから」って他人事な態度だよ。
言いたいこと多すぎて、ここらへん全部太字になっちゃったよ。。。
ついでだから、もう全部言わせて。
子どもが生まれたことで、妻と子どもはどんどん変わっていく。
価値観も変われば、生活のリズムも優先順位もスキルも変わる。そんなのは当たり前。
妻が新しい価値観とスキルをどんどん身に付けていく中、夫はそのスキルアップのチャンスを逃しているのが現状。
自分のパートナーが変化していくのだから、同じようにパパ自身も変化しなくちゃ、そこにGAPが生まれるのは当然のこと。
でもね、田中。自分の気持ちや気合い、価値観の枠の中で変化をしようと思ってもほとんどうまくいかない。
だからこそ、育休取得というのはいいチャンスなんだ。
長期取得に向けて準備をすることでこれまでの仕事のやり方、価値観をガラリと見直せる。
1日〜長くて1週間休むために、わざわざ仕事のやり方変える? 仕事のやり方を変えないために短期しか取得しないのだとしたら、それは大きな機会損失だよ。
そしてね、育児は育休後が本番なんだ。
子どもはどんどん成長し、信じられないほどの幸せと共にたくさんの課題も出てくる。
1ヶ月前のやり方がまったく通用しなくなっている。それが育児だ。
夫婦の中に「生活を営む共同パートナーである」という感覚が芽生えていれば、仕事の状況や家庭の状況を見ながらそれらを見直し続けることができる。
そのための大事な大事な一歩目。それが、育休なんだよ。
・・・熱くなりすぎて、本題と少し逸れたかもしれない。
田中よ、どのくらい育休取ったらいいと思うよ? そりゃ長いに越したことはないけど、そんなに長くなんて取れない。それが現実だろ?
だからこそ、最初に話した男性版産休が役に立つんだよ。
「産休」というのは子どもが生まれてから(出生後)8週以内の休業のこと。
これまでは、ママは当然産休があり、その後育休へとシフトしていっていたんだけど、今回の法改正で男性も出生後8週以内に取得する休業は産休にすることになる。
つまり、この期間に取得する休業が育休扱いじゃなくて産休という別枠での扱いになるんだ。しかも、8週以内に2回に分けて取得可能。
この産後の時期に、夫が家事育児にちゃんと関われるというのはとても大切なことなんだよ。
この産休の期間は、出産によるダメージが深く、しっかりと身体を養生しなくちゃいけないと言われている産褥期(さんじょくき)という期間でもある。
産褥期に、ママが赤ちゃんの世話だけじゃなくてご飯を作ったり、洗い物したり、掃除したり洗濯したりするのは身体の回復を遅らせるし、負担が大きすぎるんだ。
この産褥期の時期に「ただいまー。ご飯できてる?」なんて、、、まさか言ったりしないよね??? マジで、ありえないから、無意識に言っちゃいそうだったら気をつけなよ。真剣に離婚案件につながるよ?
この男性版産休の導入によって、男性の産育休はこれまでよりも、ぐぐっとフレキシブルに仕事や家庭の事情に合わせて取得がしやすくなる。
これは男性版産休が導入されていない状態での、育休取得パターンの例。
これに男性版産休が加わることで、より取得パターンは増えていく。
どのくらいの期間、育休を取得するべきか。
それは、会社と家族と話をして決めるしかない。その結果双方が1週間でいいと言うのならそれもありだ。でも、会社は短い方を希望するかもしれないけど、妻はもっと長くを期望するかもしれない。
そうしたときに、どう決断するのかは、田中自身がしっかり考えなくちゃいけないことかもしれないな。
でも、せっかくの世界一の育休制度(有償の産休・育休取得可能週数)。
しっかりと活用することを考えてみるのも悪くないと思うな。
▷ 育休は、妻の妊娠中からはじまっている!!
田中、妻が妊娠をしたんだろ?
そうしたら、もう君の育休ははじまっていると言っても過言じゃない。
数カ月後の出産に向けて、君の妻はいま一生懸命お腹の子どもを育んでいる。君ができることのひとつは、妻が出産した後にどうやってサポートするか、その準備をすることだ。
それが今話しをした産休・育休だ。
生まれてみなければわからないこともたくさんあるけど、仕事をどう調整するか、里帰り出産をするかどうか、いつ会社には伝えるか、どのくらいの期間、どういったパターンで育休を取得するのか。妻が仕事をしているのだとしたら、妻の育休とどう絡めていくのか。
考えておかなくちゃいけないことは、結構たくさんあるもんだ。
でも、君からそういう話をもちかけること、そのこと自体が君の育児への主体性を伝える行為にもなるし、それは信頼関係にもつながっていく。
面倒臭がらずに、生むのは妻だからと傍観せずに、君自身も父親になるための準備を少しずつはじめるんだ。沐浴の練習するだけが、父親の役目じゃない。
▷ 育休は、復帰後の両立のための準備期間
育休は、取って仕事を休んで家にいればいいってもんじゃない。
さっきも伝えたように、育児の本番は育休が終わってからはじまる。
育休を取っても、復帰後に全部元通りで、夜遅くまで仕事して休日も家にいないじゃ意味がない。
実際に育休を取得する前の今の時点から、業務を効率化する工夫をしたり、なるべく定時で帰るための工夫をしたり、できることはたくさんある。
育休中も、ただ妻のお手伝いをしていたって仕方がない。
パートナーとして、一通りの家事育児を担えるように、しっかり練習をしていく期間でもある。
ぼくは育休中には、この3つのミッションをこなせるようになることをお勧めしている。
① 赤ちゃんと留守番をする
まずは2人きりで過ごすことができるようになること
② 赤ちゃんと買い物に行く
子どもを抱えての買い物は大変。どんなことが起こるかな?
③ お風呂から寝かしつけまでひとでこなす
両立が始まったら帰宅後にバトンタッチ、ということも多いはず!
オムツ替え、ミルクあげなどの単体のスキルは、それを生活の中で使いこなしてこそ意味がある。この3つのミッションはそれらを駆使しないとこなせないものでありながら、ママの日常生活そのものでもある。
田中も、子どもが生まれたらなるべく早い段階でこのミッションをクリアできるように目指して欲しい。
▷ 男性の産後うつもあなどるべからず
さて。最後の最後に。
産後うつは、ママだけの問題でもないんだ。
パパだって、がんばりすぎて陥ってしまうことがある。
「俺が全部の面倒を見るんだ」と思うんじゃなくて「夫婦で一緒に助け合うんだ」と思うようにして欲しい。
男だって辛いときは辛い。妻は産後で辛いんだからと、すべてを我慢することで自分が倒れてしまっては元も子もない。
育児は、親が健康であることが何よりのリスクヘッジになる。
育休を取得したら、お互いがしっかり眠れるように工夫して欲しい。
睡眠は、心と身体をしっかりと癒やしてくれる。
▷ 育休は妻と子の命を守る!
田中。これでぼくからの説教は終わりだよ。
もう「育休は無理だな〜(笑)」なんて言わないよな。うん。顔を見ればわかる。そうだね。すぐにでも産休、育休について調べてみるべきだよ。
どこから調べたらいいかわからない?
だったらこの2冊をまずは読むことをおすすめするよ。
今日伝えた話が1,000倍は詳しく書かれてるから。
そして、興味があったらこの話をするために調べてた参照一覧も見てみるといい。
田中と、妻、子。みんなが素晴らしい産後生活を過ごすことを心から願っているよ!
では、また明日。
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