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娘の寝顔が力をくれた。

いったい何百回、いや何千回娘の寝顔を見てきたのだろう。

産まれたばかりの頃から今日まで7年。2500日以上の夜を共に過ごしてきた。寝かしつけは妻と半々だから、少なくとも1200回は寝顔を眺めてる。

あの日の夜もそうだった。

娘がまだ産まれたばかりのころ。事業で新しいプロジェクトが始まり、大きな助成金申請のためのプレゼンがあった。
ぼくは、事業の行く末や自分たちの未来に大きく影響するプレゼンを前に頭が真っ白になっていた。
たった10分弱のプレゼン。そのために何度も資料を読み込み、しゃべる練習をした。

これだけやれば、もう大丈夫と何度も自分に言い聞かせるけど不安もイライラもなくなることはなかった。

その前日。娘の寝かしつけはぼくの番だった。

娘は寝付きがよく、寝かしつけに時間がかかることはほとんどない。でも「早く寝てくれないかな」とぼくは若干イライラしていた。
早く寝てくれたら、ベッドから起き出して明日に向けた最終確認をしたい。

絵本を2冊も読むと、娘はスッと眠りに落ちた。

あっさり眠ってくれたことにホッとしつつ、その寝顔を眺めた。

安心しきった様子で、気持ちよさそうに眠っている。

この子に出会えて本当によかったと、スッと思った。
それまでは、自分に子どもがいることが嬉しかったり、ちょっと不思議だったり、何だか軽い興奮状態だったのだけど。
娘がそこにいることが、普通で当たり前で、それがいつの間にかぼくの新しい日常になっていると気がついた。

この子が安心して眠れる夜を、ずっと守っていきたい。

その想いは、ぼくの内側からしっかり湧き上がっていた。

仕事も、家事も、自分や妻がゴキゲンに仲良く過ごすことも、ぼくが元気に生きてることや、一生懸命になにかに取り組むことも。娘が安心して眠れる夜と繋がってる。

ぼくが生きて関わっていることは、みんな何かしらの形でこの幸せな寝顔に繋がってるんだって思った。

娘の幸せな寝顔は、ぼくが幸せだから見ることができる。ぼくが不機嫌な毎日を過ごせば、同じ寝顔も違って見えるかもしれない。そしてだんだん、不機嫌が家族に伝播して、本当にその寝顔も苦しい寝顔に変わってしまうかもしれない。

「明日も、がんばろう」

娘の寝顔は、そう思う力をくれた。

ぼくは起こさないようにそっと頭を撫でて、手元の明かりを消し、ゆっくりと目を閉じた。
明日のプレゼンは大丈夫。やるだけやった自分を信じて、眠った。

不安なとき。明日が憂うつなとき。元気がないとき。
娘の寝顔は、ぼくに力をくれる。

自分が幸せであるために頑張ることを肯定してくれる。

親は、子どもの寝顔からきっとたくさんの勇気をもらっているのだと思う。その寝顔を守るためなら、いくらでも強くなれるのだと思う。

では、また明日。

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三木智有|家事シェア研究家
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