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【パパコラム】親だからって、いつもいつも全力でいることはできないんだよなぁ。

隣で娘がなにか言っている。折り紙を折ったとか、テープがなくなったとかなんとか。それに対して「ああ」とか「うん」とか適当な相槌を打つ。

娘は不服そうに鼻をならすと、Switchをやりはじめた。

ぼくにとって土日は休みなのだろうか、それともオンタイムなのだろうか。子育てをしていると自分のオフがいったいいつ訪れているのか、わからなくなることがある。
いわゆる「仕事」をしていない時間を「オフ」と言うのなら娘といる時間は基本的にはオフタイムだ。

「自転車やりたい」「カードゲームやりたい」「一緒にSwitchしたい」「遊びたい」「お腹すいた」「暇」「じゃんけんしよう」「公園行きたい」「勉強やるから見てて」

娘に求められる時間はすべて、愛おしく大切な時間だ。ただし、ぼくの「余白」とトレードの上で。

オフとは、仕事をしていない時間のことではなくて、いわば「余白時間」のこと。
「仕事」も「親業」もない余白の時間こそが、オフなのだ。

ぼくは仕事も親業も、とてもじゃないけどいつも完璧に、もしくはいつも全力でやりきることはできない。
残念だけど正直に言うと、”どちらかだけ”になったところで、完璧にも全力でもやりきることはできやしない。

そんな小さなキャパシティの中に、仕事も親業もギュギュッと詰め込んでいる。
だから、意図的に余白を作っていかないと息がつまってしまう。

1週間に1度。息抜きができたらそれでいい、という人もいるかもしれない。
けどぼくは、1日に短くてもいいから少し、余白がないと息が詰まってしまう。

娘に対して気のない返事をしてしまうとき。それは少し息が詰まっているときだ。

気持ちにゆとりが戻ってくると「気のない返事が続いちゃったな」と申し訳なくもなる。けど「申し訳なく感じることができるくらいには、回復してきたんだな」とも思う。

育児書には、

「目を見て返事をしてあげよう」
「スマホを見ないで、ちゃんと子どものことを見てあげて」
「さみしい子どもをちゃんと抱きしめてあげて」

なんてことが書いてある。
それはそうだと思う。だけど、親だっていつもいつも全力でいることはできないんだよなぁ。

では、また明日。

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三木智有|家事シェア研究家
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