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子どもは説明できなくてもナラティブを持っている。

本屋で娘と一緒に絵本を選んだ。

たくさんある絵本の中から、娘は幼児用の絵本を選んだ。ピクトグラムが、変な踊りをする絵本。

かわいくて、とっても素敵な絵本。だけど。

「もう少し他のも見て、それから決めようか」

娘にそう伝えると、本屋をぐるぐるとまわりはじめた。

娘は6歳。もう少しストーリーのある絵本や読み応えのある絵本に取り組んで欲しい。また、「絵本買っていいよ」と言ってからものの一分で「これがいい」と決めたことも、いい加減に選んだように思えてしまったのだ。


10分ほど散策をした結果、最初に選んだ本を買うことになった。


娘が自分で気に入って選んだんだから、それでいい。頭ではわかっていても「1200円かぁ」と思ってしまったりもする。チラッと読んで、はいお終い。そうなってしまうとしたら、ちょっともったいない出費だ。

「なんで、この本にしたの?」
「だって、面白そうだから」

娘はくすりと笑えるような、ユーモアある絵本が好きだ。この絵本も、たしかにくすりと面白い。

ま、そうだよな。

そんなに納得できたわけでもなかったけど、本人が楽しんでくれるならそれでいいと思った。

絵本を買った帰り道。
娘は街に溢れる交通標識を指差しては「あれ、止まれのサイン!」「これは、歩いていいよのサイン!」と嬉しそう。

いま、スクールでサイン(標識)についてたくさん学んでいるのだ。サインには色んなメッセージがある。それを置いてある意味を考え、そのサインが送っているメッセージを受信する。

娘はスクールでのその学びに夢中だった。

「このサイン、今日買った絵本にも出てくるんだよ!」

娘は歩行者優先の標識を指差して、嬉しそうに言った。

ああ、娘の頭の中にはスクールでやっている学びがあったんだ。

それに気がついてハッとした。

幼児向けだとか、読み応えがないとか、そんなのはぼくのエゴだった。危うく自分のモノサシで測ったナラティブで娘に絵本を選ばせてしまうところだった。

「なんでも、好きなの選んでいいよ」と親に言われたのに「こっちがいいんじゃない?」「それはダメだよ」なんて言われたときの興ざめする感じ。そして「なんもわかってないんだよな」という諦め。さらにそうして選んだ本のつまらないこと。

フラッシュバックのように、子どもの頃の記憶が蘇った。

娘は「このピクトグラムが、スクールでやってるサインに似てるからこの本面白そう!」とは言わない。だから「そう言ってくれたらわかるのに」はやっぱり親の都合だろう。

言葉にはできなくても、娘には娘のナラティブがある。うまく説明はできないけど、たしかに存在するナラティブを、知りもしないのに他人の価値観で切り捨ててしまうのは残酷だ。

だからぼくにできるのは、自分で行った言葉(好きなの選びな)に責任を持つことと、娘を信じることの2つだろう。


娘は今日も絵本を取り出し、絵本の中のへんてこポーズを真似してお尻をフリフリしていた。
この本を買うことができて、本当によかった。

では、また明日。

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三木智有|家事シェア研究家
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