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”めうしのジャスミン”自分らしく生きることを教えてくれる絵本

”めうしのジャスミン”という絵本があります。
娘が「男の子の色、女の子の色」など色や服装などについて男女でわけて考えるようになったとき、この絵本をおすすめしてもらい購入しました。

この絵本を使って、いまインターンをしているラーンネット・グローバルスクールで授業をやりたいなと思い読みました。

人と同じである必要なんてない

めうしのジャスミンは、農場ですてきな帽子を見つけます。とても気に入ってそれをかぶることにしましたが、まわりの動物たちからバッシングを受けます。

「なかまとちがうことをしたがる めうしなんて、あたし すきじゃないわ。ろくなめうしじゃないもの」
「きっと、自分のほうがえらいとおもっているのね」
「うぬぼれてるんだわ」
「でなければ、病気よ」
※めうしのジャスミンより抜粋

まわりと違うことをすることで、目立ち、目の敵にされるジャスミン。

「わたしには、わたしのすきなものがあるし、なにがにあうかもわかっているわ。あなたたちがどういおうと、わたしはへいきよ」
※めうしのジャスミンより抜粋

ジャスミンは周りのバッシングにまったく動じません。そのうち、他の動物たちもジャスミンの真似をして帽子をかぶりはじめます。
すると、翌日にはジャスミンは帽子を脱いでしまい、また周りからバッシングされます。
そして、動物たちは再び帽子を脱ぎはじめ、それを見たジャスミンは。


余計なことは、何も語らない

その後どうなるのかは、もしもご興味があれば絵本を読んでみてください。
ただ、ここまででおわかりいただけるように多様性、自分らしさ、がこの絵本のテーマです。
本が書かれたのは1973年。いま読んでも深く考えさせられる内容になっています。

絵本の中で印象的なのは、ジャスミンは自分の気持ちをほとんど語らないことです。
ジャスミンはなぜ帽子を脱いだのか。そのことに対する説明はいっさいありません。

何が正しい、何は正しくない。そういったことも一切書かれてはいない。

ただ、自分らしく自然体で過ごすジャスミンの姿が描かれているのです。

「あなたは、あなたのおもうように、すればいいのよ」とじゃすみんはいいました。
「それでいいんじゃない? わたしは、わたしのおもうようにするわ。だれでも、その人らしくすればいいのよ」
※めうしのジャスミンより抜粋

最初に帽子をかぶった時に言葉にしたジャスミンの気持ち。
この本では、他の動物たちがジャスミンのこの言葉を、行動で表現していきます。

自分らしく自然体でいることを、誰かにわざわざ声高に語る必要なんて、なにもないのです。

人と違う、というのは本人も不安を感じたりしますが、じつはそれ以上にまわりのほうが不安を感じたりするのかもしれません。その不安を払拭したくて、自分たちと違うものを排除しようとしてします。

自分らしくいることに強さが必要なんて。

昔学校で、赤いTシャツを着てきた子がまわりからすごくイジられて泣いてしまったことがありました。赤いTシャツなんていまでは別に当たり前ですが、当時ぼくの通っていた小学校では男の子が着ている姿を見ることはほとんどない色だったのです。
たったそれだけのことで、まわりから責められる。
それ以降、何色の洋服を着ていけばいいのかがわからなくなり、怖くなった記憶があります。

自分らしく自然体でいること。好きなものを身に着け、好きなことをして生きること。
そんなことに、勇気を持ってのぞまなければならないのは辛いなと思うのです。

この絵本は、ユニークで愛らしい動物たちが優しくそのことを教えてくれるのです。

***

今日も、見に来てくれてありがとうございます。
この本の他にもいくつか素材を集めて、子どもたちに授業をしようと思っています。楽しみだなぁ。
ぜひ、また見に来てください。




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三木智有|家事シェア研究家
最後まで読んで下さり、ありがとうございました! スキ・フォロー・シェアなどしてもらえたらとっても嬉しいです。 ぜひまた見に来てください!!

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