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Photo by
anarita
人生で一度きりの朝。
布団の中でそっと目を開けると、娘がこちらを見ていた。
──起きた?
ささやくように、娘が目配せをする。
ぼくは眠たい目をこすりながら、小さくうなずいた。
嬉しそうにニヤリと笑った顔が、こらえきれないかのように満面の笑みへと変わっていく。
今日は、娘の誕生日パーティーをする日。
この日をずっとずっと心待ちにしていたのだ。
娘は「5歳になったら」なんでもできるようになると思っていた。
ウンテイだって最後まで行けるし、少しは苦手な野菜も食べられる。荷物も自分で持てるし、ジャンプしなくたってスイッチに手が届くのだ。
そう、年を重ねることは紛れもなくレベルアップすることなのだ。
「バーン!!」
大きな声で叫ぶと、娘は布団を跳ね除けて起き上がった。
今日はじいじとばあばが遊びにくる。
おもちゃも買わなきゃいけない。大好きな回転寿司にだっていくし、すみっこぐらしのデコレーションケーキだって取りに行かなきゃならない。
とても、布団の中で寝てなんかいられないのだ。
窓からは真っ白な光が差し込んでいる。
娘にとって、一生に一度きりの特別な一日がはじまろうとしていた。
※※※
今日も見に来てくれてありがとうございます。
誕生日の週末は最高の一日でした。
娘を見ていると、年を取るというのはまさに成長して、自分の可能性が高まっていくことなんだと感じます。
ぼくも、すっかり中年になりましたが、老いていくのではなく成長するような歳の取り方をしたいものです。
ぜひ、明日もまた見に来てください。
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