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もう2度と「やりたいこと100個書き出す!」なんてしない。と決めた日。

あれは何年前だったかな。3〜5年くらい前だったと思う。
当時流行っていた(いまもかな?)「やりたいことを100個書き出そう!」という目標設定に感銘を受けて、やりたいことを一生懸命書き出したことがあった。

そうだった。たしか「最高の人生の見つけ方」をサブスクで見て、超影響を受けたんだった。今思い出しても、すばらしい映画だった。
バケットリストを次々とこなしながら、人生を謳歌するふたりの姿。僕だって人生をこんな風に取り戻したいぜって思った。

2時間ほどかけてすばらしいリストができあがった。もう最高のリストだった。これさえこなせれば、僕の人生はいっぺんの後悔もないすばらしいものになる。そう約束されたリストだった。

いまはどこにいったかな。スマホにメモしたはずだけど、見当たらないな。まぁ、いいや。とにかくリストは最高だったんだ。

でも、地獄はここからはじまった。

リストにはすぐには叶わない夢が羅列されていた。
たとえば「家族でハワイ旅行に行く」なんてのがあった。

家族でハワイ旅行に行けたら最高だ。もう絶対楽しい。夏になって「今年はどこに行こうか?」って話になった。リストの夢を叶えるチャンスだ! でもさ、思い出しもしなかったよ。そもそも別にハワイ行きたくなかった。それより滋賀県の美術館の方がずっと行きたかったから、車で1時間かけてみんなで行った。最高だった。大きくて美しい美術館。1日中幸せでいっぱいだったよ。

「美味しいお寿司を食べたい」なんてのもあった。あるとき、接待ですごく美味しいお寿司屋さんに連れて行ってもらった。もう本当に美味しかった。ありがたかったし、自分だけでは絶対に入らないようなお店だった。美味しさはダントツだったけど、「家族でくら寿司行きたいなー」って思っちゃったんだ。娘がハンバーグと卵焼きばっかり食べて幸せそうにしている姿を見てる方が幸せだ。

あれが欲しい、これがしたい、こうなったらいい。

一生懸命書き出したリストで叶えたものは、そこまで嬉しくなかったし、叶わなかったものは、なんだか自分の枯渇感をマシマシにしてしまっていた。それはいつしか「俺には叶えられないリスト」であり「かといって叶えてもそこまで幸せとは限らないぜ?リスト」になっていたんだ。

前代未聞のヤバいリストだよ。
リストを見るたびに「お前にはまだこんなにできないことがある。あれも買えない、あそこにも行けない、これもできない。お前の人生にはできないことが山ほどあるな!」と突きつけてきて、できそうなものは「叶えたところで、それが本当にお前を幸せにするかどうかは⋯確証はないぜ?」って言ってくる。

なんだよそれ。僕はそんな謎のリストが欲しかったんじゃない。
叶えるたびに幸せになり、叶っていない目標は叶えるための励みになるようなリストが欲しかったのに。


リストを上手に使える人もいるんだろう。
書き出し方が悪かったのかもしれない。
ただ、これだけは言える。

目標は、考えているときが一番楽しい。

まるでお金のことなんて気にしないで買い物かごに好きなものを放り込んでいくようなワクワク感がある。目標は自由だ。何を考えても、どんな目標を立てても構わない。

だけど、買い物かごに放り込んだ目標は、自分の物にするためにはそれなりの負荷がかかる。だけどこの負荷を正確に測ることは、なんとも困難である。

実現精度の低い目標は、商品をレジ打ちされるたびに気持ちが重たくなる買い物のようだ。カゴに放り込むだけでは、目標は叶わない。


スマホのホーム画面でいつでも見られるようにしていた、ぼくの「やりたいことリスト100」。いつの間にか見るたびに気持ちが重たくなり、そのうち目に入らなくなり、そして、ホーム画面から永遠に削除してしまった。


ぼくはもう二度と「やりたいことリスト」を100個も書き出したりしない。
うまく使える人だっているだろう。「最高の人生の見つけ方」のように、リストをつくったことで人生を謳歌できる人だっているだろう。

でも、誰もがそうできるわけじゃない。

それじゃあ、やりたいことリストをうまく活用できない人は、どうすればいいのだろう? どんな目標を立てたらいいんだろう?


2024年。今年は自分でも思っていなかったほどの色んなことを達成することができた。もちろん、100リストなしでだ。
そもそも、達成したことの多くが「今年はこれをやるぞ!」なんて想像すらしていなかったことだ。

そのことに気がついた僕は、決めた。

「来年は1年の目標なんて立てない」って。

だけど、何もかも行き当たりばったりというのも不安だ。何かに向かって進むからこそ成し遂げられることだってある。

そこで僕は2つのことを新年に向けて考えることにした。

それについては、今日のニュースレターに詳しく書きました。


あと数日で2025年がはじまる。

来年はどんなことが待っているのか。
いまからとても楽しみです。

では、また!

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三木智有|家事シェア研究家
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