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非常災害時の対応に関する研修【地震対策(備蓄、避難訓練など)】
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。
介護施設で必要な【非常災害時の対応に関する研修】の資料を記事にしました。
☑ 筆者(とも)
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
2011年に発生した東日本大震災では、岩手県、宮城県、福島県の3県で少なくとも59カ所の介護施設が被災しました。
この被災により、入居者と職員を合わせて578名が死亡または行方不明となるという甚大な被害が生じました。
特に、高齢者や介護が必要な方々は、移動や避難が困難な状況にあったため、被害が拡大したと考えられます。
また、1995年の阪神淡路大震災では、全体の死亡者のうち65歳以上の高齢者が50%以上を占めていました。
このことからもわかるように、大規模災害時には高齢者が特に被害を受けやすいことが明らかです。
こうした過去の災害を教訓に、介護施設の防災対策を強化することは不可欠です。
☑ この記事を読む価値
・簡単にまとめているので、施設に貼っておき何度も見直すことのできる資料です。
・できる限り難しい表現は省いています。
・そのままマニュアルとして活用することもできます。
具体的な内容は、次のとおりです。
この記事は、5800字程度のボリュームでお伝えします。
それでは早速、見ていきましょう。
1. 最優先事項は安否確認
災害が発生した際に、まず最優先で行うべきは「安否確認」です。
これは、介護施設において特に重要です。
入居者さんや利用者さん(以下、入居者さん)や職員の安全が確認できなければ、次の行動に移ることはできません。
災害発生直後は混乱が広がり、入居者さんや職員と個別に連絡を取るのが難しくなる場合もあります。
そこで、全員の安否を迅速に確認するためには、次の準備をおすすめします。
一斉送信システムの活用:
事前に入居者さんや職員の電話番号、メール、LINEアカウントなどを登録しておき、一斉にメッセージを送信できるシステムを導入します。これにより、手間を省き、迅速に安否確認ができます。
安否確認リストの整備:
日常的に安否確認リストを作成しておくことで、迅速かつ的確に一人一人の安全を把握できる体制を整えることができます。
また、怪我人がいる場合には、応急処置を行うか、速やかに医療機関への連絡を行い、適切な医療支援を受ける手筈を整えましょう。
緊急時の対応については、こちらの記事を参考にしてください。
2. エレベーターの使用禁止と避難対応
地震発生時、エレベーターは停電によって停止し、エレベーター内に閉じ込められる可能性があります。
定期的にエレベーターの自動停止機能(停電時や地震発生時にエレベーターが最寄り階で自動停止する機能)が作動するか、確認しておきましょう。
地震時には、エレベーターの使用を禁止し、階段を利用した避難が基本となります。
しかし、介護施設は移動が困難な高齢者が多く、通常の避難ルートでは対応が難しい場合もあります。
そのため、各入居者さんに最適な避難ルートや手段を事前に計画し、職員が確実に実施できるよう訓練を行っておくことが重要です。
3. 地震発生直後に確認すべきチェックリスト
地震発生直後には、多くの確認事項が一度に発生します。
施設内外の状況を把握し、迅速かつ正確に対応するためのチェックリストを用意しておくことで、スムーズに対応が進められます。
以下に、基本的なチェックリストを挙げます。
☑ 火元の点検とガス元栓の閉鎖:出火やガス漏れが起きないよう、迅速に確認します。
☑ 火災報知器の作動と消火活動:出火を確認した場合、即座に火災報知器を作動させ、可能な範囲で初期消火を行います。
☑ 負傷者の確認と応急処置:施設内で負傷者がいる場合には、応急処置を行い、必要に応じて医療機関への搬送を手配します。
☑ 避難経路の確認:ガラスの破片や倒れた家具などが避難経路をふさいでいないか確認し、安全な経路を確保します。
☑ 建物の崩落や周囲の危険を警告:周囲に崩落の危険がある場合には、速やかに知らせ、安全を確保します。
避難が開始された後も、全体の状況を適切に把握し、チェクリストを活用し無駄な混乱を避けることが重要です。
4. 自力避難が難しい入居者さんへの対応
介護施設の入居者さんは、何らかの支援が必要な方々が多く、地震発生時に自力で避難できない方もおられます。
例えば、車いす生活の方は普段自走できていても、地震発生時に床に物が散乱し、移動できない可能性が考えられます。
また認知症の方なども、地震発生時に理解ができず、避難を拒む可能性があります。
これらの問題に対処するためには、入居者さんの各々の避難誘導方法を確立し、それに基づいた避難訓練を徹底することが重要です。
特に、夜間や早朝など職員が少ない時間帯には、迅速な対応が難しくなるため、交代勤務制の整備や夜間専用の避難計画を策定しておく必要があります。
5. 避難生活への適応の難しさ
無事に避難所へたどり着いた後も、避難生活は介護施設の入居者さんにとっては過酷なものになります。
普段はバリアフリーの環境で、福祉用具や介護職員のサポートを受けながら生活していますが、避難所は十分な環境が整っていない可能性があります。
最も困難な問題は次の2つです。
① トイレの問題:
健常者でも避難所でのトイレは不便なことが多いですが、車椅子を利用している方や介助が必要な方にとっては、さらに大きな問題となります。
② 食事の確保:
通常食を摂取できない方にとっては、適切な食事の確保も困難です。
特に経管栄養や食事の形態が限定されている場合、普段と同じような食事を避難所で準備するのは難しいです。
これらの問題に対しては、事前準備が重要です。
例えば、トイレに関しては凝固剤の入った災害用トイレを施設内に複数個常備しておく必要があります。
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経管栄養食等も、もちろん賞味期限は確認しながら、常備しておく必要があります。
また、認知症の方は環境の変化に非常に敏感です。
避難所という慣れない環境での生活は、認知症の症状を悪化させる要因となる可能性があります。
このような状況では、少しでも安心できる環境を提供することが重要です。
普段から信頼関係を築いている介護職員の存在が、避難生活での精神的な支えとなります。
6. 避難中の健康管理と感染症リスク
避難生活が長期化すると、ストレスや疲労から体調を崩すリスクが高まります。
特に高齢者は、年齢や健康状態から感染症のリスクが高いため、次のような対策を講じる必要があります。
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