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SO3(ソースリー)原理の研究

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とある数理原理を使った新しいマジックの解説。トランプを使うものや、紙とペンだけで行うテクニック不要のメンタリズムエフェクトです。マジシャン向けの内容ですので、マジックが初めてとい…
まだ研究中のアイデア群ですが、同じものがすでに発表されてるよとか、こんな応用はどう?とかの情報が欲…
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#マジック

<S・O・3原理の研究>はじめに 

3桁の数字をいくつか足し算すると、3〜4桁の数ができあがります。その合計の数字を当てたり、予言したりというメンタルマジックの一群があります。その中でも、仕掛けのある手帳や電卓、黒板などを使ったりせず、数理原理に基づいて、相手の目の前でオープンに計算の過程を見せられるものがあります。 このたび、そんな数学的原理を拡張した、"使える"マジックをいくつか考えつきましたので、まとめておきたいと思いました。 この数理を一般的に(もしくはマジックの専門用語で)なんと呼ぶのかを知りません

三つの予言 / マジック解説

考案:下村知行 ジョーク的演出を含めたエンターテイメント性の高いメンタルマジックです。観客の中から3人に手伝ってもらい、トランプを使って3桁の数字を3つ作ってもらいます。その3つの数字の和がその年の年号になり、予言されています。2021年に演じるマジックとして考えましたが、2029年まで使える方法も解説しています。 【 現象/ EFFECT 】 マジシャンは、「3つの予言」と書かれた封筒をテーブルに置きます。 つぎに、1組のトランプを取り出しシャフルしてから、3人の観客に

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世界線を超えて 新年会用マジック

新年会など、今年1月に演じるにふさわしいカードマジック。3人の観客を巻き込んで行います。あわや失敗したかと思った結末を、思いもよらぬ方法で、マジシャンが未来を修正し、成功に導き、新年のご挨拶とします。(←相当シュールな文章ですが(^^:)、とりあえず、下の現象(台本)をお読みください。 【 現象 /EFFECT】 「皆様、こんにちは。今年はいい年にしたいものですね。 ところで、『未来』というものは運命ですでに決まっているという人もいますが、運命などというものはなく偶然によって

プレディクト・ソー・パーフェクト/マジック解説

考案:谷英樹 & 下村知行 メイヤー・イエデッドさん考案の『Predict-Perfect』というマジックは、1から9までの数字のカードを使ってSO3操作を行い、数字の合計の予言が当たります。そしてその合計数が、なんと観客の誕生日やそのパーティにまつわる記念日(会社の設立記念日)などを表しているという大変面白いものです。ところが、どんな日付も出せるわけではなく限定があり、購入者もすこしそこを残念に思うようです。静岡のマジシャンMr.Matsuさんは、これに0のカードを足して

エンジェルナンバー /マジック解説

考案:下村知行 数秘術(すうひじゅつ)の話をしながら行うメンタリズムエフェクトです。 SO3のマジックに数字を使う必然性を導入して数理臭さを抜こうと考えて作りはじめたものですが、逆に数字を扱う面白さが生まれたのではないかと思います。 封筒にすべての道具をコンパクトに入れて持ち歩ける点でも、演じやすいエンターテイメント作品です。テクニックは不要でウケもよいので、カバンに入れて持ち歩き、最近のペットトリックになっています。 静岡のマジック愛好家・山田直弘さん考案の"1から9

インプロンプテュ2021 / マジック解説

考案:下村知行 「今年しか見せられないマジックというのがあるのですが、見たいですか?」というちょっとキャッチーなセリフで始まるマジックです。セットいらずで、いつでもすぐに行えます。3人の観客を巻き込んで行うカードマジックです。 【 現象 /EFFECT】 1組のトランプから9枚の数札を適当に抜き出し、よく混ぜ3人の人に3枚ずつ渡します。受け取った3枚のカードの表を見てもらい、それぞれの観客から好きなカードを1枚ずつもらい、3桁の数を作ります。なんの数字ができるかは、それ

フェルマーの性格分析 / マジック解説

改案:下村知行 紙と筆記具、そして電卓(スマホ)があれば、すぐにできるマジックです。マジックの道具を何も持っていない時にも重宝しますが、それ以上にいつでも試したくなる楽しさを持っています。相手が書いた9つの数字から、性格を分析するというストーリーです。 【 現象/ EFFECT】 ●「昔、フェルマーという数学者がいました。彼は人を覚えるのに、数字を使ってその人の性格を読み取って記憶していました。彼がどうやっていたか、ちょっとお見せしましょう」といって、9個の数字が書ける3

サイキック カード リーディング/ マジック解説

考案:カール・ファルブス self-working number magicより抄訳 実際演じるトリックとしては、観客への説明がすこし難しいので、あまりオススメではありませんが、うまく演じられればかなり不可能性の高い不思議なトリックだと思います。SO3原理の使い方の例として面白いのでとりあげておきました。 【現象/EFFECT】 マジシャンは、相手に1組のカードを渡し、トップから9枚のカードを表向きにして、好きなように3x3に並べてもらいます。図1のようになったとします。

C3POフォース / 技法解説

考案:下村知行 『3つの予言』『インプロンプテュ・2021』は、3人の観客に手伝ってもらう手順でしたので、観客が1人や、2人のときでも使えるSO3原理を使った新しい数字のフォース法を紹介します。 トランプを使って数字を選んでいきますが、その選択の過程はかなりの自由度を感じさせ、やってみるとフォース感がほとんどないことに驚かれるのではないかと思います。つまり数理くささをかなり感じさせない作りになっています。 *最初に、165という数字をフォースする方法を解説しますが、16

R2D2フォース / 技法解説

考案:下村知行 「C3POフォース」をトランプを使わず、紙とペンを使って即興で行えるように考えました。 ちょっとした悪巧み(サトルティ)が追加してありますので、マジシャン仲間でも不思議がるかもしれません。 【 現象 / EFFECT 】 A4ぐらいの紙を9つに切り、それぞれの紙に適当に3つの数字を書きます。 裏向きしてよく混ぜ、2つの紙を選ばせます。 それぞれから、一つずつ数字を選んで2桁の数字を作るといいます。 どちらの紙を十の位にするかも決めていいと説明します。 ひと

恐怖のブックテスト / マジック解説

考案:下村知行 メンタリスト、セオドア・アンネマンの作品に『WHIM OF TITUBA』という変わったものがあります。普通のブックテストでは選ばれたページの内容をメンタリストが当てるのですが、その作品では、選ばれたページを相手が開こうとすると、ページそのものがなくなっているのです。そのマジックを行うにはサイズの違う封筒を3つ用意したりとちょっと大変なので、現象のエッセンスだけを取り入れて、簡単に行えるようにしました。R2D2フォースを使います。 【 現象 / EFFEC

「フォースと共に」---使い方アイデア集

修行(?)によりフォースの力を習得した皆さんはそれを使ってみたいと思うことでしょう。この項は、"C3POフォース" や "R2D2フォース"を使って、マジックをしてみたい方へのアイデアメモです。これまでにもあった方法も含め、思いつくままに現象だけを列挙していきす。ご自分のマジックを作る参考にしてください。

12月の魔法使い / マジック解説

以下の記事は、別記事『プレディクト・ソー・パーフェクト』と合わせてお読みください。 アマプロ問わず、忘年会やクリスマスパーティーなどがある12月は、1年のうちでも最もマジックを演じる機会が多い月なのではないでしょうか。  『プレディクト・ソー・パーフェクト』を12月に演じるための組み合わせを作っておきました。セットを考えるのが面倒という方もすぐにできます。 予言を入れる封筒をクリスマスデザインにすると楽しい演技になると思います。 別のセットを考えるときの参考にもしてくだ

資料 / References

SO3原理に関係するものを集めておきました。引用元や考案者が書いていない資料は取り上げていません。 【 書 籍 】