<S・O・3原理の研究>はじめに
3桁の数字をいくつか足し算すると、3〜4桁の数ができあがります。その合計の数字を当てたり、予言したりというメンタルマジックの一群があります。その中でも、仕掛けのある手帳や電卓、黒板などを使ったりせず、数理原理に基づいて、相手の目の前でオープンに計算の過程を見せられるものがあります。
このたび、そんな数学的原理を拡張した、"使える"マジックをいくつか考えつきましたので、まとめておきたいと思いました。
この数理を一般的に(もしくはマジックの専門用語で)なんと呼ぶのかを知りません。まだ名称が無いのかもしれません。というわけで、暫定的にこの原理の名前をつけておきました。
「SO3の原理」( The Sum Of 3-digit numbers principle)。読み方は「ソースリーのげんり」。「魔法使い=ソーサリー」を想起していただけると覚えやすいと思います。
この原理、数学マジック的な本にはときどき紹介されているのを目にしていましたが、いくつかの作品を考えたあと、あらためて調べてみると、意外と本格的なメンタルマジック作品にも使われていることがわかってきました。商品では、まず50年ほど前に、ひとつのトリックだけで、うすい小冊子で10ドルで売られていたものがありました。そして最近でも、特別な数字の書かれたカードなどの道具をつけて、ステージやパーラー向けとして、30 ドルー50ぐらいで売られているものもあり、メンタルマジックのレパートリーとしてなかなか面白いものでした。
今回私が考えたものは、SO3原理の使い方を広げるもので、覚えておくと、クリエーターの方にとっても、今後いろいろ使える知識になると思います。
では、セルフワーキングで不思議なメンタルマジック&カードマジックたちを、お楽しみください。
目次
(12月の魔法使い)
12月の魔法使い・簡易版
*note版への付記:書きかけの原稿を今回はじめてnoteにて公開するということをやってみています。「同じ作品を○○という本で見た」とか、「原理の名前がすでに発表されている」「こうやったらもっとウケた」などの情報がありましたら、教えてください。
新しいものを発表する際にはいつも「先に考えた人がいるのではないか」と心配になるものですが、すべての資料に目を通せるわけではないので、情報をいただければ助かります。印刷された原稿と違いますので、新しい情報があれば更新していけるかと思います。またスタート時は4つのマジックが解説してありますが、まだ書いていない原稿がいくつかありますので、増えていく予定です。印刷物にまとめるような機会があれば、情報提供者のお名前は、(ご本人の許可がいただければ)書かせていただこうかと思っております。
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SO3(ソースリー)原理の研究
とある数理原理を使った新しいマジックの解説。トランプを使うものや、紙とペンだけで行うテクニック不要のメンタリズムエフェクトです。マジシャン…
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