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【施設紹介】 楽しむことから全てが始まる! 放課後等デイサービス 「鞆の浦・さくらんぼ」 の笑顔の秘密とノーマライゼーションの心

思わずタイムスリップしたかのようなどこか懐かしさの残る町・広島県鞆の浦(とものうら)。スタジオジブリ『崖のうえのポニョ』の舞台となり一躍有名となった港町です。鞆の浦のことを、地元の人は「鞆(とも)」と呼びます。

そんな穏やかな港町・鞆にある「さくらんぼ」は、同じく鞆で介護施設を展開するさくらホームが運営する放課後等デイサービスです。施設の目の前には海が広がり、職員や子どもたちは一緒となり海や山、そして時には鞆の町に繰り出し元気いっぱい活動しています。

本記事では、さくらんぼの職員や子ども等の笑顔の秘密、また、さくらんぼが大切にするノーマライゼーションの心について紹介します。

放課後等デイサービスとは
主に6歳〜18歳までの障がいのあるお子さんや発達に特性のあるお子さんを対象として、放課後や夏休みなどの長期休暇に生活能力向上のための訓練や社会との交流促進等を図る福祉サービスのこと。個別の発達支援や集団活動を通して、家と学校以外の居場所を提供する。

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放課後デイサービス・さくらんぼ

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遊戯室から見える絶景の海

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海遊びの様子

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地域と共に当たり前に”在る”

鞆とさくらんぼのストーリー

さくらんぼを運営する鞆の浦・さくらホームは、代表の羽田冨美江によって2004年に開所された介護施設(小規模多機能型居宅介護/地域密着型デイサービス)です。「家族と結ぶ、地域と結ぶ、その人らしさを発揮できるホームにする」という理念のもと、長きにわたり鞆を「ノーマライゼーション=地域共生のまち」にすべく活動してきました。

活動の原点は、代表の羽田が嫁ぎ先である鞆で義父の介護を経験したことにあります。 ”支援が必要な人が地域で暮らすためには、住民に受け入れてもらうことが必要"   今から約20年前、鞆の町全体を使った地域共生のまちづくりがスタートしました。

どんな人にも居場所のあるまちにするためには、当然、支援が必要なお年寄りだけではなく子ども達へのアプローチも必要です。 ”生きづらさを抱えた子ども達も普通に過ごせるような町になってほしい” そんな強い思いが込められ、2014年5月『放課後等デイサービス・さくらんぼ』が開所しました。

2014年5月 さくらんぼ 開所(放課後等デイサービス)
2017年5月 さくらんぼ星の家 開所(重症心身障がい児の多機能事業所)
2019年4月 さくらんぼ星の家(放課後デイサービスへ変更)

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代表・羽田冨美江


代表・羽田が掲げるノーマライゼーションは、デンマークで誕生した概念です。お年寄りや障がいのある方を含めて、年齢、性別、国籍問わず誰もが当たり前の生活を送れるように社会の環境を整備していこうというものです。

鞆の高齢者・障がい者・子ども、多世代の人々が繋がって安心して暮らせる地域共生社会を実現すべく、さくらんぼでは、鞆の人・まち・自然との関わりや遊びを通して、地域ぐるみで子どもの成長を見守ります。

施設概要

■ 運営:株式会社 親和 / 鞆の浦・さくらホーム(代表  羽田冨美江)
■ 開所:
2014年5月 さくらんぼ
2017年5月 さくらんぼ 星の家
■ 管理者:羽田和剛、田中伸弘
■ 営業日時:

通常期:放課後 〜 18時まで
夏季・冬季・春季・土曜祝日:9:30〜15:30
休館日:日曜日、お盆、正月
※送迎あり(放課後は学校へ、その他は自宅までお迎えにあがります)
事業内容:
・放課後等デイサービス
利用定員:
さくらんぼ:10名
さくらんぼ星の家:10名
対象地区:福山市
■住所:
〒720-0202  広島県福山市鞆町1576-1
スタッフ:
・保育士:5名
・作業療法士:2名
・看護師:1名
・介護福祉士:5名
・児童指導員:4名
※ 2021年8月現在


施設紹介

■ 外観 
さくらんぼは地域のサロンの中にあり、日頃から地域の人との交流が生まれている

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■ 園庭 
広い園庭の奥には海が広がる

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■ 中庭 
夏は2つのプールを使い水遊びが行われる

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■ さくらんぼ・星の家 
さくらんぼの向かいにある古民家を改修して作られた星の家。星の浦地区にあることからその名が付けられた。重症心身障がい児のための浴室やゆっくりと休める休息スペースも確保されている

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さくらんぼでの遊び紹介

さくらんぼで年間を通して行われる遊びの一部をご紹介します!

・遊具・トランポリン・鬼ごっこ・チャンバラ
・かくれんぼ・缶蹴り・工作(電動工具)
・ボール遊び・映画鑑賞・カードゲーム・プール
・焚き火(マシュマロ・芋)・お絵かき 
・海遊び・山遊び 等

このように、思い浮かぶことは何でもやっています。

遊びを通して子どもたちが自由にのびのびと成長できるよう、職員も一緒になって楽しむことを探します。

また、日々の活動の様子は、LINEにて親御さんに写真や動画を共有しています。さくらんぼで新たに出来るようになったことが増えた!と、親御さんからコメントを頂いた時は職員一同とても嬉しいです。

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また、さくらんぼでは「コイン制度」を導入しています。始めの会や終わりの会、さくらんぼの活動に参加したりすると「さくらんぼコイン」がもらえます。

貯まったコインはお菓子や図書カード、また、みんなで合算してお出かけ計画を提案することもできます。子ども達は日々頑張ってコインを集めています。


管理者よりご挨拶

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さくらんぼ管理者・羽田和剛

皆さんこんにちは、さくらんぼ管理者の羽田和剛です。私は、母・羽田冨美江のノーマライゼーションの心を受け継ぎ、さくらんぼを通して地域共生のまちづくりに挑戦しています。さくらんぼでは、子ども達に全力で遊びを楽しんでもらうため、職員も一緒になって 「楽しむ」「面白がる」「思いっきり遊ぶ」 ことを大切にしています。そのため、さくらんぼでは子どもと大人の関係性は非常にフラットです。常に対等な人と人として関わり、大人の友達のような関係づくりを目指しています。

ーー”楽しむことから全ては始まる

さくらんぼに関わる全ての人の笑顔や自由な発想は 「楽しむ」ことから始まっています。遊びやワクワク感から育まれる豊かな心が、生きづらさを感じる子ども達の成長を後押しすることを祈っています。


(さくらんぼ管理者・羽田のインタビュー記事や、スタッフの紹介記事もありますのでこちらをぜひご覧ください)

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安全面には十分配慮しつつ、子ども達が様々な体験ができるよう全力で取り組んでいる


まとめ

放課後等デイサービス・さくらんぼの子ども達が、自由にのびのびと成長していく秘密は、まち全体が当たり前のようにさくらんぼの子ども達を見守ってくれること、さまざまな遊びを通して出来る!を増やしていること、そして何より、職員が一緒になって楽しむことに全力で向き合っていることが挙げられます。

ノーマライゼーションや地域共生のまちづくりというと「理想社会」を作ることだと感じるかもしれません。しかし、さくらんぼが目指しているのは色んな人が町で普通に過ごせる環境を作ることです。それは、理想というよりかは、当たり前の社会だと考えます。

これからも、誰もが安心して暮らせる地域共生社会を実現すべく、さくらんぼは鞆とともに成長を続けていきます。

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【取材・文・撮影=河村由実子、撮影=佐々木慎】


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