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ネコの能力の不思議

先週末は父の日のプレゼントを届けに実家へ帰りました。

70代の両親と人間で言ったら多分同じくらいの年齢であろうネコ2匹で暮らしている実家。
両親もネコ2匹も年相応の身体の衰えはありつつも、元気に過ごしてくれていることが本当にありがたいです。

17歳半になった黒猫のレゴちゃん。

黒猫ちゃんって真っ黒すぎて写真写りがイマイチなんですよね。ホントはもっと可愛い。

妹が当時住んでいたアパート(1階)のベランダの隅で母猫が4匹の子猫を産み、そのうちの1匹がレゴちゃんでした。
母猫を刺激しないように妹は見守っていましたが、ある日仕事から帰ると3匹の子猫がいなくなりレゴちゃんだけがクーラーの室外機の陰に残って鳴いていたそうです。
3匹と母猫でお引越しをしたのかな?と思いしばらく様子を見ていましたが、結局はその日母猫は現れず。
翌日も現れることはなく、鳴き声が弱くなってきたのでやむを得ず保護しました。

妹はネコアレルギーがあるため飼うことができず飼ってくださる方を探していたところ、ご近所の方からお声がかかり新しい家族へと引き取られていきました。
良かったねぇとホッとした矢先、2週間ほど経ってから引き取ってくれた方から連絡があり
「黒猫って...なんか怖いんですよね。音もなく気付いたらそばにいたりして、ほかの猫と違くて怖くて。やっぱり飼えません」
と返されてしまいました。

当時実家のネコが天国へ行ったばかりで母は悲しみのあまり「もうネコは飼わない」と言っていたのですが、その話を聞いて「母猫に取り残されて、やっと決まったお家からも出されて家族を2回も失うなんて可哀そう。これからはうちの子として大事に育てるわ」と決心し、実家で暮らすことになりました。

その6ヶ月後にまたその母猫が妹のアパートのベランダで子猫を4匹産み、今度は4匹を残したままいなくなってしまい、また妹が保護して4匹のうちの2匹はすぐに引き取り手が決まったものの、2匹が決まらず結局はその子たちも母が引き取り一気に3匹のネコと暮らすことになるとは誰も想像していなかったのですが..笑

波瀾万丈な経緯で実家へやってきたレゴちゃんもだいぶ歳をとり5年ほど前から耳は聞こえていません。
ネコって音を聞くために耳を前に横に後ろにパタパタと動かしていますが、レゴちゃんの耳はほとんど動きません。
大きな音がしても驚くこともありません。

そして目も、4年ほど前から段々と白くなってきて昨年あたりから瞳孔が閉じたり開いたりしなくなり、ほぼ見えていないのではないかと思われます。

それでも不思議なことに「レゴちゃん」って名前を呼ぶとこちらを見るんですよね。
「おいで」って言うと来てくれるときもあります。
人の声だけが聞こえているとは思えないのですが「自分に話しかけられていること」を耳ではない他の感覚で感じているのでしょうか?
特に母が声をかけると、大きな声で鳴きながら擦り寄っていって甘え、本当に不思議です。

目もあまり見えていないと思われるのですが、物にぶつかったりもなく、高いところにも飛び乗れるし生活には全く問題なくて。
ただオモチャで遊ぼうとして目の前に置いても全く反応しないので、やはり見えていないのだなぁと思います。
またたびの匂いのついたオモチャには少し反応していたので嗅覚は残っているようです。

レゴちゃんは目や耳に頼らず、人間には想像できない他の感覚も使って生活しているのではないかなぁと見ていて感じます。

特に空間に関しては本当に不思議で。
歩いていて障害物があっても難なく避けたり、私たちのお膝に飛び乗ったり。
転ぶことも失敗することもなく華麗にスルリと動けるんですよね。

ネコはヒゲの感覚が優れているのもあると思うのですが、高いところに乗る時の距離感はヒゲでは測れないと思うのでやはり人間には想像できない何らかの力を使っているとしか思えません。
空気の流れのようなもので察知しているのでしょうか。

本当にネコの生きる力って逞しくてしなやかで凄いと尊敬します。

そして私もレゴちゃんを見ていて、これから歳を重ねて失っていくものがあっても、抗うことなくそれを受け入れ、持っている力や感覚を磨き、智慧を使って、逞しくしなやかに生きていきたいと思うのです。

波瀾万丈に生きてきたレゴちゃんが、この世界に産まれてきて、この家の子になって良かったと思えるように、これからも幸せに両親と共に過ごせることを心から願っています。



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