正しさとは何なのか?
とあるセミナーを受講した後のお茶会で、
着物の世界での『フォーマル』と『カジュアル』は
どこで区切るかという話になりました。
この線引きが、徐々に曖昧になって来ているので、
『正しい常識』って何なのだろうとモヤモヤする
こともあるのです。
ざっくりというと、
・振袖
・留袖(黒留袖/色留袖)
・訪問着
・附下
・紋の入っている色無地
などがフォーマル着物。
「式」と名のつくところに着て行く着物。
・紬
・小紋
・綿着物
・ポリエステルの着物
・ウール
などがカジュアル着物。
ピンキリだけれど、フォーマル着物より
リーズナルに作れる着物で、普段使いなので
出番が多い着物。
でも昨今の実情はどうかというと、
卒業式や入学式に参列する際に小紋を着ている
人もいます。
例えば、小紋を持参して
「これ、(卒業式に)どうですか?」
と相談されれば
「本来は小紋は普段使いの着物なので
ふさわしくはない」
と答えますが、絶対ダメなのかというと
そうでもないのが現代の状況でもあります。
着物=フォーマルと思っている人も結構いて、
着物に詳しい人に聞くことなく、家にある着物を
着て参列する方も少なからずいらっしゃるからです。
おめでたい場で、その場にそぐわないとか何とか
気分を害するようなことを言う人もほとんどいない
ので、ますますフォーマルとカジュアルの線引きは
あやふやになっているように思います。
誰かにダメ出しされても、着たければ着ていけばいい
という流れになりつつあります。
一時期の「何か言われるのではないか」とビクビク
しながら着物を着て出かける時代とは違って、
大分緩くなりました。
着物に関わる仕事をしていて驚くのは、
ネットレンタルして持ち込まれる着物の中で、
「これはフォーマル用ではないのでは?」
と思うものをセットにしているのを見かけた時です。
借り手が着物に詳しくないから気づかないだろう
ということでしょうか?
元々の品が壊れたから、安い代用品をセットに
組み込んだのでしょうか?
こういったレンタル品が持ち込まれたら、プロの
着付け師さん達は気付くだろうと思います。
でも、他に代用品がないので、お客様には何も
伝えることなく着付けて送り出すでしょうけれど。
ルールは誰が決めたのでしょう?
正しさって何だろう?
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