思い出のモロゾフ
大学時代、どの友達のアパートに遊びに行っても
必ずと言っていいほど部屋にあったモロゾフの
プリンの空き瓶。
小物入れにしていたり、コップとして使っていたり、
皆それぞれだったけど捨てずに使っていたことを
覚えている。
ほどよい大きさと、透明の中にあるMorozoffの
文字のカッコよさと、使い勝手の良さ。
そしてまた食べたくなる美味しさ。
手土産にも買うけど、自分用にも買っちゃって
また容器が増えていく。
新しい校舎が新しい土地に作られて、その一期生
だった私たち。
街はまだ、大勢の大学生の受け入れ体制が出来て
いない感じだった。
大学の周りにはオシャレなカフェも何もなく、
駅からも遠く、バスに乗らないと帰れなかった。
海に憧れて受験した子も多かったけれど、大学から
海なんか見えやしなかった。
私の住んでいたアパートは、駅と大学のちょうど
中間地点。バス通りから少し入った場所にあった
アパートの周りは畑が多かった。すぐ隣に住む
大家さんがなぜかクジャクを飼っていて、夜な夜な
『クワァ〜‼︎』と鳴いて最初は本当に驚いた。
クジャクってあんなに大きな鳴き声なんだ…と。
電話中にクジャクが鳴くと、大抵話し相手から
「今、だれか女の人が叫ばなかった?大丈夫?」
と心配され、その度にクジャクの鳴き声であること
を説明してたなぁ〜。
あ、プリンから話が逸れた。
唯一、オシャレな服や本屋さんやレストランが
あったのが駅ビルだった。
日常の食料品などはスーパーに行くものの、何か
特別な物が必要な時にみんながいく駅ビル。
その中にあって、感動的に美味しかったモロゾフ。
昨日、チョコレートを物色しに行った娘が
買ってきてくれた、久々のモロゾフプリンは、
バレンタインデー用にピンクの蓋がついていた
けれど
「あぁ、この味。この固さ。」
安定の美味しさだ。
青春の味と言ってもいいくらい、プリンを食べ
ながら思い出も味わう。
みんな元気かなぁ。