吃音の兄。
私には7つ年上の兄がいる。
タイトルにもある通り吃音を持っています。
私が物心がついた時から兄は特徴的な話し方をすると、
無意識に感じていたかもしれません。
だからどうって訳でもなく特に気にはしてなかった。
話し方の特徴として「こんにちは」というとき、
「ここここ、こんにちは」のように言葉の頭を繰り返すことが頻発する。
吃音にもタイプがあるようで、
上の特徴のように言葉の始めを繰り返してしまう「連発」
「こーーーっんにちは」と伸ばしてしまう「伸発」
「・・・・っこ、んにちは」最初の言葉が詰まって出てこない「難発」
の3タイプがあるそう。
私の兄はこの3タイプがどちらも多い頻度で出てきます。
程度で言うと強めかもしれません。
だから私たち家族は兄が焦らないように話終えるまでゆっくり待ったり、
時に伝えようとしていることを汲み取ったりとしてきました。
そんな時ふと思ったのが、
兄は私達以外の他人と接する時どれだけ辛く苦しい思いをしてきたんだろうかと。
思うように言葉が出ない、伝えきれないだけではないはず。
恐らく、からかわれたり笑われてしまったりと相当嫌な思いもしたはず。
後に父からそういう事もあったと知った。
それで言葉を発することが怖くなり、あまり話さなくなったとも。
毎日、一人で苦しさを抱えながら日々を送っていたのかな…
…こうやって記事を書きながらも胸が苦しくなる。
そういえば、私自身も兄弟だがあまり会話をした記憶がないかもな…
そんな兄は学生の頃から父の影響でアコギを弾いている。
しかも弾き語りだ。
驚くことに弾き語り中は一切、吃音の特徴は出ない。
(どうやら吃音の方は、歌うときは特徴が出ないそう)
一人でも弾き語りをするし、父と共に弾き語りもする。
そして時に小さいライブハウスに行っては、人前に出たりもする。
私にとって最高にカッコいい兄。
そして誰よりも優しい兄。
たまに実家に帰ればニコッと迎えてくれる。
あまり話はしないものの兄の優しさは強く感じるし、
兄弟同士、確かに通じ合っている。
(いつか兄と共に弾き語りをしたいな)
ここまで書いてきましたが、この記事で何か訴えたいことがある訳ではありません。
何をどうするでもなく、ただ兄のことを書きたかった。
ですがただ1つ、
世の中には吃音の方以外にも自分が望んでないことで生き辛さを抱えている人がいる。
そんな方達へ理解や優しさのある世の中であったらいいなと思います。
最後に私の好きな吃音者のミュージシャン「スキャットマン・ジョン」の代表曲を載せて締めとします。
彼も吃音があり学生時代には激しくいじめを受けていたそうです。
ですが吃音の「言葉が連発してしまう」ことを逆手に取り、
「スキャット」と言う歌唱法にアレンジを加え「テクノスキャット」と言う独自のジャンルを開拓しました。