
丸木俊さん『広島のピカ』。
共働きで心身に余裕のない両親が、寝る前の子供への絵本読み聞かせはそれなりに頑張っていました。
げんなりするくらいの良書と言うか、あれは情操教育の一環だったのか、今思い返しても選りすぐりの本がありましたよ。
で、最も衝撃的だったのがタイトルにありますように『広島のピカ』。
ピーターラビットやらノンタン? やらの中にデンとありまして。
保育園の頃だったかと思いますが、かなり記憶してます。
朝ご飯を食べてる時だったから、箸を握っていた。
その箸が手から離れなくなったとか。火傷で。
強制連行された韓国の方たちも犠牲になった頁があったと思います。
赤い火焔を背景にはらはらと散るような白っぽいチマチョゴリの絵が。
ここらの記憶はそう自信ありませんが。
いつか、福岡の美術館に丸木俊さん(ご夫妻だったかな)の絵の展示があって親に連れられて観に行きました。
お心の繊細な方、弱い方が大画面で観るには過酷でしょう。
私にもショックのようなものがありました。
幼少期から両親に不思議がられていました。
なぜか美術館・博物館に行くと、私は驚く程に疲労困憊してグッタリとなります。
恐らくは情報量が、私の容量を超えていたのではないかと推察します。
良くも悪くも感受性の鋭い子供でしたから。
成長するにつれ、自分なりに精神をガードする術を何とか身につけて消耗もそこそこに抑制されましたが、やはり人よりも疲れる気質・体質は今も変わりません。
私が物事を俯瞰・客観する視線を持つようになったきっかけですね。
剥き出しの感受性のままでは到底、持ち堪えられませんでした。
過剰な熱を取り去らなければ早々に潰れていたでしょう。
世の醜悪の何たるかも知る早熟ゆえに、美しいものに心惹かれていたのかもしれません。
