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【MBTI】就活における「性格タイプ擬装」の結果とメンタルへの影響

さて性格タイプ擬装と就活について先記事にて述べた。

今回は「就活におけるタイプ擬装推奨」の風潮が、仕事における入社後うつ、内定ブルー、燃え尽き、適応障害といったメンタルヘルスの問題の遠因、さらには本質的な原因となっている可能性について述べる。結論としては可能性は非常に高いと思っている。求職者が「理想のタイプ」に装うことで、本来の自己の価値観と仕事で求められる自己との間にギャップが生まれ、これが後々に精神的な負担につながるケースが考えられるからである。

就活指導における性格タイプ擬装推奨がメンタルヘルス問題の原因となる理由
1. 自己と職場のギャップによるストレス
「画一的な就活指導」によって、自分が理想の人物像に装って入社した場合、実際の業務でそれを維持する必要が生じる。しかし、自分の本来の特性と異なる行動を長期間続けるのは精神的な負担が大きく、大きなストレスの原因になりうる。このギャップが、適応障害や入社後うつなどの一因を担っていると考える。

2. 自己理解の不足と方向性の迷い
採用過程で「企業の求める人物像」に合わせるよう指導されることで、自己理解が遅れるケースがあるだろう。自分の興味や強みが分からないまま進路の選択をした結果、仕事に対する充実感や達成感を見出せず、これもまた適応障害や入社後うつの要因になると思われる。

3. 期待に応え続けることでの燃え尽き
擬装した性格タイプで入社すると、周囲から「理想の人物像」としての期待がかかり続けることは想像に難く無い。これに応えようとすることで自分を押し殺し、努力を続けるうちに疲弊していく。

4. 自己表現の抑圧による精神的な負荷
自分を偽り続けると、自分の価値観や個性を抑圧することになり、自己表現が制限されることとなる。これが持続的な不安感や違和感の原因となり、うつ状態に陥りやすくなるだけでなく、内定ブルーや適応障害の直接的な引き金になることもあるのではないか。

「性格タイプ擬装推奨」の結果、内定後に考えられる問題
1. 内定ブルー
入社前に、装ってきた自分と実際の仕事への不安を感じ、「自分に本当に合っているのか?」と疑問が湧き、不安や落ち込みにつながる。

2. いわゆる五月病
入社後しばらくは勢いで仕事に取り組めても、徐々に「本来の自分ではない」という気持ちが現れ、モチベーションやエネルギーの低下に繋がった結果

3. 燃え尽きや適応障害
長期的なギャップの維持が難しくなると、無理が生じて燃え尽きや適応障害が発生すると感がられる。特に、内向的なタイプが社交的な擬装をしてポジションに配属された場合や、慎重なタイプが積極性を強く求められる業務に就いた場合などは大きな負担となるだろう。

対策と改善策
1. 自己理解を深める指導
進路や就活の指導において、自分のタイプや強みを見つけるプロセスを重視し、企業の理想像に合わせるよりも、自己理解と自己表現を深める指導が必要だろう。幾分か進んでいるようではある。

2. 企業側の多様なタイプ受け入れ
企業も一部の「理想タイプ」に偏らず、さまざまな特性を尊重し、多様な人材を採用・評価できるようにすることで、無理な擬装をせずに応募できる環境を提供することが望まれる。しかしながら企業側にそれを行うメリットはあまりないのが問題である。

3. メンタルケアの充実
タイプ擬装ありきで考えた場合、入社後も、タイプに基づいたメンタルケアが必要だ。たとえば、外向的な役割を担う内向的な人材には過度な負担がかからないようにし、キャリアカウンセリングなどを通じて自己表現の場を増やすことなどだ。

「擬装推奨」の流れは、間接的に入社後のメンタルヘルス問題の本質的な原因となっている可能性が高い。企業の理想像に合わせようとする就活の風潮が、自分らしさを失わせ、長期的に精神的負担をかける結果につながっていることから、今後は「自己理解と自己表現」を大切にする方向へとシフトいくのではないだろうか。

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