【サファリの違う楽しみ方】あの動物のコードネームは「しんご」
マンボ!
タンザニア在住ライターのほりともです(@tmk_255)です。
先日、世界的にも有名な『セレンゲティ』と『ンゴロンゴロ』にサファリ観光に行ってきました。さすが王道のこの2つ、ヌーの大移動や、今まで行ったサファリではなかなか見ることができなかった黒サイ、ヒョウ、レオパード、ライオンもたっくさん見ることができました。
そういった野生の動物たちにはもちろん感動したのですが、今回は、サファリで日本人の私たちが楽しめそうな「タンザニアらしいサファリ」についてご紹介します。
もし、サファリに行く機会があれば、ぜひこの3つを頭にとめていかれたら、サファリ観光の楽しさが倍増する!かもしれません。
マサイとライオンの共生
ンゴロンゴロ保護区にはマサイ族が住んでいます。
野生のライオンを見た後に、マサイ族の家族が歩いているのを見ると、
「んんっ?危なくない?」と思いますよね。そこで、ガイドさんに聞いたところ、大丈夫なんだそうです。理由は2つ。
まずはマサイは、ライオンが苦手なにおいを発する薬用植物を顔などに身に着けているそう。だから、そもそもライオンは寄ってこないのだとか。
2つ目の理由は、マサイはライオンが襲ってきても槍(やり)で対抗できる能力を今も持っているから。以前は、マサイ族はライオン狩りをしていたけれど、今は法律で禁止されています。そうはいっても、自分のヤギや牛がライオンによって殺されたら、マサイ族はその場合はライオンに報復することもあるとか。怖い…というか、マサイ族、強い…。
そんな、マサイとライオンの強制の疑問の謎が解けた後に気になったのは、マサイの子供たちの姿。マサイの子供たちは、以前とは変わって今は学校に行くようになっています。ただスクールバスの時間がかなり遅くなってしまって、子供の教育に影響が出ているようです。
実は、タンザニア政府はマサイ族たちをこのエリアから追い出そうとしており、以前は朝7時から到着していたスクールバスも来なくなり、10時という遅い時間になんとか手配しているそう。
ガイドさんのお父さんもマサイ族というマサイ族ハーフのガイドさん。マサイ族の直面している今の状況の話をし始めると、止まらない。
「マサイ族は、野生の動物を狩ってもいない、見てわかるように動物とマサイは共生している。タンザニアの観光収入に悪影響を与えていないのに、どうして、タンザニア政府はマサイにひどい仕打ちをしてくるんだ!」
秘密のコードネームを解読!
広いサバンナの中で動物探しは、長年のガイドさんでも予測できないことが多いようです。だから、ガイド同士、無線を使って、どこに何がいたかを教えあっています。
スワヒリ語が少しわかるようになった私が、動物の名前を聞き取ろうとしても全くわかりません。その代わり、聞こえてきたのは「上にいるあれ」「下にいるあれ」という意味のスワヒリ語。
実は、「上にいるあれ(ワジュー)」とは、レオパード、「下にいるあれ(ワチニ)」はチーターのことを指す、ガイドの間だけで使われる秘密のコードネームなのだそうです。サファリにくる観光客の人に、楽しいサプライズを提供するために、できるだけどの動物に向かっているのか、どの動物がこれから見られるのかは秘密にするために、ガイドの間で使っている言葉だそう。
特別に、レオパードとチーター以外のコードネームも教えてもらっちゃいました。
(※以下、私の日本語訳とスワヒリ語の読み)
ライオン:「ひげさん(シャルブ)」
キリン:「首さん(シンゴ)」
ゾウ:「耳さん(マシキオ)」
シマウマ:「線さん(ムスタリ)」
ヌー:「大移動する彼ら(スワヒリ語は覚えられず…)」
ゾウは長い鼻のほうじゃなくて、大きな耳からの名前なんですね。コードネームのつけ方のセンスがおもしろいです。
スワヒリ語で「首」は「シンゴ」と日本人の名前みたいな発音なんですが、日常生活で首って単語はあまり使いません。が、キリンのコードネームででてきました!
これを知ってからは、ガイド同志のやりとりを聞いて、「お、これからライオンが見られるのか!」「チーターの兄弟がいたのか!」なんて、事前にわかってしまって、得した気分になりました。
急いでいてもやっぱりあいさつ
最後はやっぱりタンザニアらしい「あいさつ」です。
ガイドの人たちは、無線で動物がどこにいるかの情報を教えあいますが、路上で会うと、だいたい止まって、情報交換をします。
その時に必ず、悠長なあいさつが繰り広げられます。
「よお、今朝はよく眠れたかい?」
「ああ、ぐっすり眠れたよ。君は?」
「ああ、ぼくもだよ。朝ご飯をたっぷり食べたから今日もがんばれそうだよ」
「雨のせいで、道路がぬかるんで、運転がしにくいよね」
「その通りだよ。お互い安全に運転しようぜ!」
知り合いだったりすると、家族はどう?家の農園はどう?とかそんな話が続きます。そして、一通りあいさつを終えたら、待ってました!動物の情報交換です。
そして、最後に 「パモジャ、カカ!(がんばろうぜ、ブラザー!)」と言って、動物探しを再開します。
毎回毎回、すれ違うごとに、このあいさつが繰り広げられるので、「ライオンが木に登っているらしいよ」なんて情報があると、私は「あいさつはいいから早く進んでくれ~」と思ってしまうのですが、その一方で、この『あいさつがまず大切』というタンザニアの文化は本当に良いなとも感じます。
こうやってあいさつをして、ガイド同志のつながりも深いからか、泥道にはまり、車が抜けられなくなったら、すぐに近くにいたサファリジープが助けに来てくれるんですね。すごいチームワークです!みんな、違うツアーを運営する会社なのに。
まとめ
サファリと言えば動物ですが、タンザニアのサファリは、動物以外にも楽しめる要素がつまっているなと感じます。
タンザニアでサファリをする機会があれば、ぜひ、コードネームを予習して(サプライズが好きな方は無視してくださいね)タンザニアらしい動物の王国ツアーを楽しんでくださいね。
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