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キャラクターの人格を変えてしまった、映画の日本語吹き替え版。
1番好きな映画は何ですか?
と聞かれたら、私は「ホリディ」と答える。
あらすじについてここでは詳しくお話ししないが、
特にドキドキハラハラする内容ではなく、
人に「絶対観て!」とおすすめするかと言われればそうでもない。
ただただ自分好みのラブコメ。
クリスマスからニューイヤーにかけてのホリディ期間中のお話ということもあって、クリスマスの雰囲気や流れてくる音楽、そして登場人物たち、全てが温かくて、ほっこり幸せな気持ちになるストーリーが気に入っている。
私がこの映画を初めて観たのは、ワーキングホリデーでカナダに滞在していた時。
予告かコマーシャルを見て、これ観に行かない?と友達を誘ったような気がする。(昔過ぎて記憶がかなり曖昧…)
英語のセリフを100%理解できたわけではなかったけど、なんとなく理解できたストーリーが気に入り、「英語の勉強のため」ともっともそうな理由をつけて、現地でDVDまで購入した。
日本に帰ってきてからも、わざわざ日本版のDVDを購入して、何か映像作品が観たいけど、新しいストーリーを一からしっかり観る元気がない、という時に観たり、BGM的に流したり、冬場になるとしっかり観返したりしていた。
私のこだわり。
私がこの作品を観るときにこだわっていることがあって、
それは、「日本語字幕をつけない」「日本語吹き替えで観ない」ということ。
理由は二つ。
一つ目。初めのうちはオリジナルの音声プラス字幕なしでしか観られない環境だったので、私の中には「私なりの英語の解釈で出来上がった映画の世界」がある。(おそらく中には誤った解釈もあるかもしれないが…)
それがはっきりとした日本語で表されることで、世界観が崩れてしまうんじゃないか…という不安。字幕だと、文字数の関係上ストーリーがつながる程度に意訳はされてしまうものだと思うし、日本語吹き替えは声のイメージが違う可能性もある。
二つ目。この映画のセリフを全て "自分で" 理解して覚えたら、ものすごく英語の勉強になるんじゃないかと思い、それができるまで人が訳した日本語は見ない聞かないようにしている。(そう思って早15年以上…未だに本格的に取り組んでいない…)
観てしまった、日本語吹き替え版。
そんな私がある日、ちょっとした手違いで映画の一部を日本語吹き替えで観てしまった。
テレビで放映されて、たまたまチャンネルを合わせてしまったか、Netflixで途中から視聴を再開したら何故か設定が日本語吹き替えになっていた…のどちらかだったと思う。
場面はジュード・ロウ演じるグラハムが話しているシーン。
どのシーンだったかよく覚えていないが、私は少しショックを受けたのを覚えている。
私が知っているグラハムは、イケメンだけどイケイケとかギラギラした感じではなく、繊細で物腰のやわらかい優男的なイメージ。(ワンナイトとか平気でしちゃうけど。)
男々してなくて、一人称は絶対的に「僕」。
だけどその時日本語で話していたグラハムは、自分のことを「俺」と言い、
話し方もなんだか男感が漂って、私は頭の中で「グラハムはそんな話し方じゃないけど???」と思いながらすぐに観るのをやめた。
日本語吹き替えで一言二言聞いただけで、私が思っていたグラハムとは別のグラハムになっていた。
いや、逆に一言二言しか聞いてないからそう思ってしまっただけで、全編ちゃんと観たら、もしかしたら同じグラハムなのかもしれない。
その可能性を確かめたくて、日本語で最初から観てみようか…と思いがよぎったりもする。
先ほども書いたように、声のイメージが違う可能性は想像できたけれど、「そんな話し方じゃないんだよなー」というのは想像していなかった。
映画が好きな人にはあるあるな話なんだろうな。きっと。
こんなに何度も観る映画もあまりないし、海外映画は基本的に日本語吹き替えで観ないし(やっぱり本人の声で聞きたい)、日本語では絶対に観ないことにここまでこだわるのはこの作品くらいなので、この驚きは私には新鮮な体験だった。
母国語だと、その人の言葉の選び方や話し方で、なんとなくこの人はこんな人なのかなぁ、と想像できる。(実際のその人と合っているかは別として)
それでも人によって、同じ人物に対する印象は違ったりする。
外国語だと、優しそうとか怖そうくらいは想像できても、「こういう言葉のチョイスや言い回しをする人はきっとこういう人」、みたいなイメージが母国語に比べて少ないから、どれだけ言葉のニュアンスを理解できるかや、どれだけたくさんのネイティブスピーカーと関わったことがあるか、の違いで話し手に対する印象の持ち方が随分変わってしまうんじゃないだろうか。
と、これを書きながら思った。
どうでもいい話だけど、こんなことがあったんだよーとシェアしたくなって書いてみました。最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
「わかるわかるー」と思ってくださる方がいらっしゃったら嬉しいです😌