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最高の「嫌味」プレゼント
28歳の時、アメリカはヴァージニア州にいた。
ヴァージニア州といっても、ほぼほぼワシントンDCに近いヴァージニア州だ。
夜間大学に通ってITのクラスをとっていた時、人生最大の「嫌味」を経験する。
アメリカなので、クラスも英語で進行していく。
当時の私の英語力は、TOEICスコアで言うと、800点ほどだったが、英語のクラスはついていくのが精一杯といったところ。つまりは、先生が言っている事を8割理解できれば万々歳だった。
クラスには6名ほど生徒がいて、全員がアメリカ生まれではないというなんとも面白いインターナショナルなクラス構成だった。先生もアメリカ生まれではなく、ラトビア出身か何かだった。
ついていくのが必死だったクラス。でも楽しかった。
毎回英語のテキスト数十ページを予習して挑んだ。
とあるクラスの休み時間、ある生徒が私のところに来た。
ドキドキだ。英語で話しかけられてしまう。。
その時彼が私に放った言葉、今でも忘れない。
そして、言ってくれてありがとう。
「君は全然質問しないから、全部理解してるんだね。すごいね。」
メチャクチャ「嫌味」を言われた。
と思ったけど、彼は真顔だ。一切笑ってない。
つまり、本当に私がクラス内容を全て理解しているから質問しないと思っていたのだ。
そんなわきゃないでしょ。
でも、「ああ。。」と答えただけの私。
日本で生まれ、日本の公立学校で教育を受けてきた私にとって、先生に質問しないなんて普通だ。
あとで自分で調べればいいぐらいに思っていた。
そもそも英語でクラスを聞いている事で精一杯だった。
そこへ来てこの「嫌味」を浴びた。
そうか。。質問しないって、全部わかってるって事なんだ。。
その場にいる自分に、典型的な日本人の姿を見た。
そこを境に私は変わった。
疑問があれば積極的に質問するようになった。
英語の会議でもためらわずガンガン行くようになった。
名前は忘れたが、「彼」には感謝している。
私に最高の「嫌味」をプレゼントしてくれた事を。
ちなみに私、「とものり」っていう名前なんですが、先生はずっと私のことを「モノトリ」と呼んでいた。
途中から訂正できなくなって最後まで私は「モノトリ」だった。
やっぱり気分が悪いもんだ。盗人じゃないのに「モノトリ」なんて呼ばれて。
当時は自分の名前を訂正することもできなかったんだな、と。
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