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私の赤・あなたの赤⑦

「林先生を知っていますか?林実先生?」   と僕は彼女に問いかけた。

「えっ?林先生?わからないです。」                    ときょとんとした顔で答えた。そして、会釈をして女の子と歩みを進めた。

林先生が僕に聞いたんだ。なんだか友達と上手くいかない僕に「お前の赤はなんだ?赤と聞いて思い出すものは何だ?」って。

僕はしばらく考えて「夕焼け。」と。     「俺はリンゴだ。熱が出るといつも母さんが擦ってくれたんだ。皮はあんなに赤いのに、実は白い。食べるとひんやりして熱が引く感じがするんだ。                    赤って言っても、それぞれが思っている赤は違うんだ。それはどんな経験をしてきたか?どんな考えをしてきたか?で違うんだ。色んな赤があるんだ。                    みんながみんな赤と言えば「リンゴ」を思うと思っていたら、すれ違いが生まれる。それぞれの赤があるんだ。だから、言葉を交わすんだ。相手の赤は、どんな赤なのか?」                  僕は頭をガツンとやられて何も答えられなかった。

そんな僕を見て先生が「そうそう!お前の赤は何だ?と聞いて、私は青が好きと答えた女の子がいたよ!今のお前みたいだ。衝撃を受けたよ。」とケタケタと笑いながら、話してくれた。

僕はダブルの衝撃で。「青と答えた女の子」という言葉は、僕の心の底にずっとひそんでいた。

そして、僕は聞くようになった。       「あなたの赤は何ですか?」と。



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横山 百未
猫町のように猫も子どもも大人も心地良く過ごせる居場所を創りたい!いつか叶えたい夢はいくつも☺️ 今は、1からピザを作ろう!と小麦や野菜を自然栽培で育てています。(FBページ ちょこ工房)そちらの活動などに有難く活用させていただきます😌

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