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私の赤・あなたの赤⑥
女の子が手を振る姿が微笑ましかった。 元に戻り、進もうとすると勢いよく走ってくる女性が。
「良かった!ここにいたのね。」と先程の女の子の元へ。 「おねぇちゃん!!」と女の子は女性にしがみついていた。
僕もほっとして、持ち場であるイベント会場へ戻った。
程なくして、先程の女の子と女性が来た。 「ありがとうございました!大学が休みなので、姪っ子の面倒を頼まれて。私に似た服の人の後をこの子がついて行ったみたいで。」と話しかけてきた。
そうでしたか!と言おうと思った瞬間、「おねぇちゃん!赤ってなんだと思う?赤って何の色だと思う?」と女の子がおねえちゃんに聞いた。
「赤?そうね、私は青が好きだな。オレオとかの青。」とおねえちゃんは答えた。
僕は。僕は止まった。僕だけが止まった。 青が好きと言う…その言葉に。
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