2024年10月2日(水)【リニューアルの日】

2024年10月2日(水)

今日から新しい試みを始める。朝4時に起きてSittingを行い、5時から文章を書いてみる。続けられるかはわからないけれど、これも実験と思ってやってみる。毎日執筆筋を鍛えて、身体に変化があるかを観察する。

【リニューアルの日】

昨日の深夜、10月1日がリニューアルの日だと予感して、ようやく外に出る気になった。その予感を元に美容院を予約して朝を迎えると、すんなり身体を起こすことができた。

この1ヶ月間、どうしても身体を起こせないことが続いていた。不意に眠くなったり、だるさを感じて、日中に横になることが多かった。絵も描けず、文章も書けず、生きているのかすらわからない状態だった。それでも外には出たほうがいいだろうと思ってスーパーへ買い物に行ったりもしたが、ショーケースに入った魚たちが脅してくる気がしたりと、外に出るたびに内心ドキドキしていた。

身体を動かしていないから、人と会っていないから、何も作っていないから、生理が来ていないから、お金を稼いでいないから。落ち込みが1ヶ月も続いた理由はこれら全部が関係しているだろう。期間中も理解はしていたが、それでもどうしようもなく引きこもるしかなかった。1ヶ月も横になっていたら、人は太る。筋肉が衰え、身体はむくみ、さらに横になりたくなるという悪循環が生まれる。

それが昨日、明けた。その理由はわからないけれど、朝になって外に出ると見事な晴天が広がっていた。

美容院ではいつものようにお兄さんに最近のことを話し、それを聞いたお兄さんが染める色と髪型を提案してくれた。これから職探しをすると話したにも関わらず、出来上がったのは赤紫色に染められたシザーハンズのような髪だった。これでは受け入れてくれる職種が限られるような気もするが、作られていく過程が面白くてニヤニヤが止まらず、とても元気をもらった。終わりには鏡に映った自分の瞳がキラキラと輝いているのがわかった。

そこから喫茶店に入り、ノートを取り出して文章を書きながら今後の流れを整理した。

地図を描く。自分の思考を地図に落とし込む作業が必要だと思った。そこで鍵となったのが、美容院のお兄さんが「お客さんから借りて今読んでいる本なんですけど、読みますか?」と渡してくれた本だった。それは村松大輔さんの『現象が一変する「量子力学的」パラレルワールドの法則』という本で、「量子力学的な発想によって自身を自分の望むパラレルワールドへ連れていく」方法が書かれていた。

その本いわく、あらゆるものには周波数があり、例えば、自分のハッピーな感情にはハッピーな周波数が、また、イライラした感情にはイライラとした周波数がそれぞれあるらしい。そして、イライラせずにハッピーな世界線(パラレルワールド)へ行くには、そのハッピーな周波数帯に自身を合わせてあげる必要があるという。

パラレルワールドに行くことができれば、なりたい自分にもなれるし、会いたい人や物に出会うことができる。それには「そうするぞ!」という意図と「実際どうであるか」という観測が必要で、それを確立できれば自分の周波数(Hz)を変えることができ、望む周波数帯のパラレルワールドへ行けるという。その本自体は途中までしか読めなかったが、とてもわかりやすく、印象的な内容だった。

意図と観測。それは実際、自分が10年間くらいずっとやり続けていることだ。けれど、行きたい世界線への明確な地図を描けたわけではなかった。文章の立体性を高めるのにプラスして、思考を具現化した地図も描けるようなれたら、方向が定まり不安も軽減される気がする。

会いたい人や物に出会っていく。その身体的感覚を知らないわけではなかった。特に身体性を帯び始めたのは、10年前、アメリカ・ニュージャージーのギターサークルに参加してからだ。喫茶店でそのことを思いだし、朝のSittingをもう一度自分の日課に取り入れようと考えた。

そして次の日の今朝、さっそく4時15分からSittingを始めた。座布団の上で座禅を組み、身体の部位を意識的にスキャンしていく。目、舌、下顎、上顎、鼻、おでこ、耳、のど、丹田、肩、腕、肘、手と指、太もも、膝、ふくらはぎ、足と指。すると、身体が神経からビシビシ目覚めてくる感じがした。背筋が伸び、空気が肺の中へ自然と入り、「緊張と緩和が中庸になる感覚」が呼び起こされた。しかし、胡坐のかき方がまずかったのか、途中で足が痺れてきた。そこで、立ってみたらどうかと思い、SittingをStandingに変えてみた。

以前、狂言師の方から「狂言の立ち姿」を習った。そのことを思い出し、さらに狂言の立ち姿で身体をスキャニングしてみるとどうなるかやってみた。

腰を落として重心を低くし、膝を少し曲げて下半身を安定させる。肩を開き、手は骨盤に沿わせるようにして脇の空間を保つ。その状態で再度、身体の部位をスキャニングする。はじめは布団の上でふわふわとなじめず不安定だった足裏も、徐々になじんで自軸を見つけていった。目をつむっているにも関わらず、ふらつきはなくなり、終わりにはしっかりと地に足がついた感覚があった。

5時までの45分間でSitting/Standingをきっかりこなし、目を開けると、暗闇の中でも自分の背が一段と高くなっているのがわかった。周りのものが普段よりも小さく感じられ、身体全体の整理がついたことを実感した。

原点回帰。この1ヶ月間、何もできなかったけれど、またここから始めようと思う。整った身体で鏡の前に立つと、季節を感じさせる彼岸花のような赤紫色の髪が、寝癖で四方八方に広がっていた。

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