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解任するって、本当ですか?

 僕のTwitter、もといXのプロフィールにはこう書いてあります。

トム猫こと”はやしつとむ”です。ウクライナ情勢から目が離せません。 写真のバックは宝剣岳。オープンソースのデータベース Firebird日本ユーザー会の事務局長をやってます。仕事はアナハイムテクノロジー代表と、アペックスの専務。建築とITに詳しい(?)です。Delphiのお仕事募集中。

https://x.com/tomneko_p

「仕事はアナハイムテクノロジー代表と、アペックスの専務」

 ということなんですが、どうやらアペックスの専務を解任されるようです。まあ、出来るかどうかは分かりませんが。


弁護士からの書面が自宅に

 8月になったばかりに暑い夏の日、汗だくで家に帰り着いたところで郵便受けを確認すると私宛の封書が届いていました。五十嵐法律事務所って書いてあります。
 まあ、こんな仕事をしていると会社には相手方の弁護士から書面が届くことなんてたまにはありますので見慣れていますが、個人の自宅宛というのは珍しい。なんだろうと中を開けてみるとタイトルは「ご連絡」となっています。

「五十嵐書面(1)冒頭」

 ふむふむ。五十嵐さんという弁護士は知りません。まあ知ってる弁護士の方が当然少ない訳ですが、知ってる人からというわけではなさそうです。
 「拝啓 時下益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。」というのはWordの例文そのままですね。「拝啓」って打つとサンプルで出てくるやつです。
 そして五十嵐センセイは何の要件なのかと見ると「株式会社アペックスの株主である岩本政人から、アペックスの株式等に関する貴殿との協議について委任を受けた弁護士です。」と書いてあります。
 。。。目を疑いました。ご存知の方はご存知の通り、ご存知でない方はご存知ないと思いますが、私はアペックスの専務取締役ですが、岩本はアペックスの代表取締役です。毎日とは言わないまでも一緒に仕事をしている同じ会社の役員なわけですが、なにか新手の詐欺なのでしょうかと疑いましたが、岩本本人に問い合わせたところ「五十嵐弁護士が代理人なので代理人弁護士と話してください」と言うばかり。
 なんだか、最近話題の兵庫県知事みたいな感じですが、いやいや同じ会社の取締役同士ですよ、直接話せばいいじゃないですか。と言ったところで黙ってしまって話が進みません。
 とはいえ、事情も分からない代理人なんかと話したって埒が明きませんし、そもそも言っていることもデタラメなので、まともり取り合う事もできません(本文後半で逐次解説します)。また「書面にて、ご検討の結果をご連絡いただけますよう」とか書いてありますが、こっちはそんなに暇じゃありません。裁判やってるわけじゃないんだから、いちいち「書面」なんて作ってられませんよ。ということでいったん無視することにしました。

無視してると第二の書面が

 まあ8月冒頭の出来事なので、すぐにお盆休みがやってきて、バタバタっとしているとあっという間に9月です。その間も、岩本本人に「とにかく直接話し合いましょうよ」と言い続けましたが無視の一手です。
 もとより会社になんか来ちゃいませんので、Facebookのメッセンジャーとか電子メールとか、サイボウズのメッセージとかで連絡取っても無視し続ければ乗り切れると思ってるんでしょうかね。
 それで、8月の末頃に五十嵐センセイからお尋ねの書面が再度自宅に届きます。

五十嵐書面(2)

 相変わらず「時下益々ご清栄のこととお喜び申し上げます」なんて書いてありますが、ちっとも喜ばしいことなんてありません。もうちょっと考えて書いてこいって感じですが、まあこれは仕方ない。

書面の撤回と謝罪を要求しましたが

 それで「ご検討の状況はいかがでしょうか」ときたもんですから、岩本本人に言ったんです。

「この書面を取り下げて謝罪しないなら公開しますよ」

 それに対しても、黙ったまま。まあ、そもそも私個人に送られて来た書面ですから、私がどう扱おうと問題はないでしょう。こちらとしては、まだ猶予をあげたつもりだったのですが、この件はその後に五十嵐弁護士に電話をした際に「撤回するつもりはありません」と回答を受けたので、こちらとしては「公開の自由」を得たということになります

書面の内容に対する検討

 ということなので、いただいた書面は「公開質問状」として扱うことになりました。上から一つづつ検討して「公開回答」していきたいと思います。

MBOに時間がかかるのは当たり前

五十嵐書面(1)-1

 ここについては、確かにそういう話もしていました。僕にとって岩本さんは交渉相手ですから全部を詳細に伝える事はできませんが、こういう進捗がありましたよ、もう少し待ってほしいということは度々直接話しをしていました。複数の協力者との関係もあったので、具体的な話にまでなっていなかったのは事実ですが、責められるようなことではありません。
 詳細はここでは書けませんが、すでに2年以上にわたって岩本さん側からの提案含め、検討を続けてきていましたので、2023年暮れから僕のターンと言うことになりましたが、将棋じゃありませんが持ち時間は平等ですよね?
 その後に「具体的な提案」もしましたが、いまのところスルーされてます。おーい、聞いてるか?スルーするなよ?

業績は低下するばかりって、本当ですか?

五十嵐書面(1)-2
  • 社員の採用って勝手にやってませんよ?

 この辺から「いいがかり」になってきます。まず、選考プロセスはすべて岩本さんに報告しています。新卒、中途、両方の採用選考についてはサイボウズで報告書を私も社員も上げていますが、当然のこととして岩本さんにも報告してきました。そう言えば4月の新卒が入ってきた時の入社式では、岩本さんも会社に出てきて辞令渡してましたよね。
 ですので勝手にやっているということはなく、この人は採用しないでほしいということがあればそのように言えばよかったのです。社長なのですから。社長が報告されている事項にリアルタイムで口を出さずに、全部終わってから「勝手にやった」というなんて、なんなんでしょうね。
 で、それを自分の意見ではなく「複数の社員から、多くの新人を採用しても対応しきれず、業績の向上につながらないといの意見が出ております」と社員が言っているからダメなんだと言っているわけです。いやいや、これだけ採用しますよって話をして、そのとおりにやって、報告もしていることを「社員がダメだっていうからダメだ」って、それ経営者の言うことですかね?方針を決めて、それを実行し、問題が起きればこれを解決する、というのが経営者のあるべき姿ではないですかね。
 実際、新卒の採用後しばらくしてから中途での退職者が何名か出た結果、社員からは「新卒がいなかったらやばかった」と言われています。先を見据えて経営するって大事ですね。

  • 業績って売上だけじゃないですよ?5年で純資産3倍になってます

 次に「実際のところ、ここ数年、貴殿の施策は実を結ばず、アペックスの業績は改善するどころか、低下するばかりであり、今期は既に1月、4月、5月、6月が赤字となっており、赤字決算となる可能性があります。」と業績が低下したのはお前のせいだと言うわけですが、業績低下してないですよね?
 実のところ2018年前後から、岩本さんはほとんど事業にノータッチ、2022年以降は会社にもほとんど来ない状況になっているわけですが、その間私が全責任をもって事業を運営してきました。
 2019年はオリンピック前ということもあり、過去最高の売上を上げた上で経常利益も過去最高レベルで出ていました。2020年、2021年、2022年、2023年と大幅黒字を続けたおかげで純資産はなんと3倍になりました。「業績は改善するどころか、低下するばかりであり」ですか、どこに目をつけているのでしょう?
 ご存知の通り、日本では悪しき慣習として「売上至上主義」があります。しかし、売上が上がっても利益が出なければ意味がありません。コロナで売上が向上しないなかで、無駄な融資の繰り上げ返済などコストカットを進めたこともあり、毎年大幅な利益を計上して純資産が3倍になったのに「業績は低下」ですか、そうですか、いやもう経営とか分からないなら口を出さないでほしいものです。

その他の項目は取り合うのもアホらしい

 この章の後半も真面目に取り合うのもアホらしい内容なのですが、簡単に触れておきましょう。
 「社員の意見に耳を傾けない」ってどこで見たんですかね?何年も会社に出てきてないのに。毎日コミュニケーションを取って事業を運営してきたのは私です。見たことないから分からないんですかね。
 「岩本に対しても攻撃的な発言をしたり」については言い合いの中できつい言い方になったことはありますね。しかし真剣にやっていればそういうことはよくあることです。
 「岩本について、社内外の人間に対して「やる気がない」と述べた」については、僕は岩本さんに言われて裁判所にそういう内容の書面を出したことあるんですけど、忘れちゃいました?五十嵐センセイは「私はその事件は受任してないから知らない」と言って「聞きたくない」と聞くことすら拒絶ましたが、人の説明は聞いた方がいいですよ。詳細はここでは書きません、武士の情けです。

解任するって、本当ですか?正当事由ありますか?

五十嵐書面(1)-3

 さて、次の章では私を解任することが出来る、また株式を強制買取出来るという会社法的な説明をしています。ここで説明されていることは会社法に書いてあることなので、別段疑義はないのですが、もちろんここでもわざと書いてないことがあるわけです。
 それは解任には正当事由が必要であるということです。業績が低下した、勝手に社員を採用した、ああだこうだ、すべて言いがかりですから、正当事由なんてありゃしません。そうなるとどうなるか、解任した場合、私としては損害賠償を請求することが出来ます。まあ裁判になりますな。
 五十嵐センセイは無理を押しても訴訟沙汰に持ち込みたいってことなんでしょうが、彼らは「交渉」なんかしていても一円にもなりませんが、訴訟ということになれば正規の手数料を計算して請求することが出来ますからね。岩本さん、騙されちゃったのかね。分かっているはずなのに。
 それから、株式の強制買取も金額の提示をして不同意だったら、株価の算定は裁判所が行うことになります。五十嵐センセイの稼ぎ時ですね。まあ、強制買取自体に対抗する手段はないですから、株価で争うことになるでしょう。本当にやった場合はね。

右手で殴って左手を差し出す人と握手は出来ない

五十嵐書面(1)-4前半
五十嵐書面(1)-4後半

 それで、これだけ人のことをアホだ莫迦だ解任だ買取だと罵っておいて「長年の付き合いもあるため、出来れば話し合いによる円満解決を目指したい」というのですが、右手で殴っておきながら左手を差し出すような相手と話なんか出来ないじゃないですか。
 なので、私としてはこの書面をまず撤回し、一方的な主張をしたことを謝罪すれば、話し合いに応じましょうと主張してきたのですが、五十嵐センセイ曰く「撤回しませんし謝罪もしません」とのことでしたし、撤回しなければ公開しますよって言ってもスルーされましたので、こうやって公開質問&公開回答ということになった次第です。
 だいたい「取締役を解任されれば退職慰労金の支給を受けることができません」とか書いてありますけど、アペックス社には取締役退職慰労金規定なんてありません。社員の退職金規定こそ、派遣社員の退職金制度の導入に併せて整備しましたが、私の役員報酬も10年間据え置き、役員退職金規定の整備なんて話しは出たこともありませんし、いくら出しましょうなんて話もしたことはありません。
 ということで「岩本の提案は、貴殿にとってもメリットがあるのではないかと考えております」と言われても、言うのは勝手だけどメリットなんかちっとも無いわけです。そもそもこの時点で金額が書いてない書面を出してくる時点で、なにも考えていないのはバレバレじゃないですか。このセンセイ、本当に何も分かってないんでしょうね。

まとめ

 この件が勃発してからすでに4ヶ月が経つわけですが、どうやって収拾するか、どこが落としどころかを散々考えてきました。社外取締役の先生ともご相談してきましたし、アペックスの私と岩本以外の株主とも相談してきました。
 一方的な解任とかは穏やかじゃないので、話し合いで解決した方がいいとのご指摘も受けましたし、面倒だったら辞めちゃってもいいんじゃないというご意見もいただきました。
 私としても、何度も岩本本人に話し合いましょうという申し入れを行いましたがスルーされ続け、しかたなく五十嵐センセイに電話したら「書面以外での回答は受け付けない」と頑なで、電話もガチャ切りされる有り様。「撤回しないと公開しますよ」と言いましたが「撤回しません」とのことでした。
 しかし、正当事由のない不当な解任はとうてい承服出来ませんし、長年にわたり事業を離れている社長が「社員の意見も取り入れた上で、自らの考えに基づき、アペックスの立て直しを図ろうと考えております。」なんて言っても出来るわけがありません。また、そんな状況で社員を置いていくわけにもいきません。
 私としては正当事由なき解任には同意出来ませんし、また、株式買取請求などに対しても、取りうる限りの手段をもって対抗します。まあ、それまでは現在の職責をしっかり務めさせていただきますが。

 最後に一言、

解任するって、本当ですか?



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