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クローゼットの整理で自分と向き合った

服はバリエーションがあればあるほどおしゃれだと思っていた。そのためには何枚もの服が必要だと考えていた。
なりたい私になるためには、もっとたくさんの服が必要。なりたい私になるために、もっとブランド物の服やバッグが必要だと思っていた。
どんどん服は増え、収納に収まらずにクローゼットから溢れていた。
なりたい私、それは他人からおしゃれだと思われたいと思っていた自分だった。

私はアパレルの仕事を12年間続けている。
アパレルに勤めている以上、おしゃれな自分でありたいと思っていた。
どうしたらあの人みたいおしゃれになれるんだろう?あの人が着ている服を持っていないから、おしゃれになれないんだ。あの人が着ている、あの服が欲しい。そう考えて私はたくさんの服を増やした。

私はこの本を読んで、服との関わり方を根本から変えられた。他人からおしゃれと思われたことで、何か私に嬉しい事はあるのか?そう考えたとき、私は「おしゃれな自分になりたい」いう幻想から解放された。
おしゃれにならなくてもいい。自分が好きな服を着ていたらそれでいいんだ。心からそう思えた。

ボーナスの時期になるとブランドのバックがすごく欲しくなった。みんなが持っている高級ブランドのバックを持つことで、私も価値がある人間だと思われたい。そう思っていた。
他人が私の価値を判断するのではない。私のが私の価値を判断するんだ。
そう思ってからは、ブランドのバックも手放せるようになった。街で見ても欲しいと思わなくなった。アクセサリーだって、そう。
アクセサリーに私の価値を載せようとしていた。

バリエーションは必要なく、手持ちの服を何回着るかと言うことが楽しみになった。

私の大好きなワイドパンツ。
光沢があり、洗濯する時に注意が必要な少し高価でワイドパンツではなく、じゃぶじゃぶ洗濯ができる、ジャストサイズのユニクロのワイドパンツ。
今年の冬はそれを中心にコーディネートを組み立てた。ワイドパンツさえ履いていたら、私は幸せになれた。もう人の目を気にして、今日のコーディネートはどうのこうの考えなくなった。私自身が満足しているので、鏡を見ても、他の人の服を見てあの人はブランドバックを持っている、Tシャツはどこどこのブランドを着ているとも何も思わなくなった。

お店で着るための着用商品はその週の新作で着回しができるように色や形を考えて買っていた。これはすごく頭を使う。他のメンバーとかぶらないように、おしゃれに見せる色合わせ(これは一生わからない)とか考えると服が限られてしまう。
結局気に入らない服を着ていることも多々あった。しかし毎日同じ服を着ていても、人は何とも思わないと考えてから、私は本当に着たい1コーディネートだけ買ってそれを繰り返し着た。

私にとってアパレル販売員をしていて、嬉しい瞬間はお客様が自分の提案で商品を買ってくれることと、自分が着てている服を「それいいね!」とお客様が気に入ってくださって買ってくれることだ。
私が毎朝頭を捻ってその時店頭に並んでる服を組み合わせて着るよりも、パターン化されたいわば制服状態の着用の方がお客様から褒められる機会が増えた。コーディネートしなくてもよくなり、朝余計なことに頭を使うことがなくなった。

新作は2週間に1度入ってくるので新作で1パターンずつ買っていけば、セールになり売り切れる頃には服もくたびれるので遠慮なく手放すことができる。社販で失うお金も減った。

1in1outでクローゼットには常に自分が着たい服、好きな服がかかっている。クローゼットの整理も好きになった。

服を通して自分の価値観や見栄に気づくことができた。おしゃれでなくても、トレンド物を着てなくても、私はもう自分軸で生きていける。

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