とあるわらべ歌をテーマにした演劇
私は演劇のスクールに通って演技を学んでいたのだが、私は脚本家になりたかった。スクールの企画で、自主公演企画があり、スクール生の有志たちによる上演ができるという機会をいただいた。上演ができるのはたった4団体だけで、プレゼンをし、投票によってどの団体が上演するかが決まる。私は十数団体の中から勝ち抜き、友人たちに出演してもらい、自主公演をできることになった。
私がこの公演でテーマにしたのは「かごめかごめ」のわらべ歌だった。この歌は分析するととてもおかしい。
かごめかごめ
籠の中の鳥は いついつ出やる
夜明けの晩に
鶴と亀が滑った
後ろの正面だあれ?
※微妙に歌詞が違う地域もあるそうです。これは私の知っている歌詞です。
かごの中の鳥が自然に外に出ることはないし、
「夜明けの晩」「鶴と亀」「後ろの正面」などという対比する言葉を並べた歌詞から、私は英語の「upside down」という言葉を連想した。
逆さまとか、ひっくり返っているとか、ごちゃごちゃのメチャメチャっていう状態を表す英単語なのだが、ここから連想してストーリーを作っていった。
ストーリー詳細は省くが、作品に対しての観客の意見は様々で
「死を美化している!」だとか言われることも多かったが、私としてはそれはあまり強く押し出したいテーマではなく、「ネガティブなことに使うエナジーがあるのであれば、それと同じエネルギー量をポジティブなことに使っていくべきだ」というのが押し出したいメッセージであった。(ストーリー詳細は個人の特定を避けるためと、見ないと分からないと思うので省く)
よくこの「かごめかごめ」の歌は、徳川埋蔵金の歌だとか、遊女の恨み(籠の中の鳥=遊女ということらしい)がこもった歌だとか、いろいろな解釈がされている。ユダヤ教が関わっているとの説もあり、謎が多い歌であることには変わりない。
私がこの芝居を上演したときに、不可解な出来事が連発した。
若干内容はぼかすが、箇条書きで書いていく。不思議だが、これらの現状は出演者にだけ見られて、出演しなかった脚本兼演出の私には何も不可解な出来事は起きなかった。
・出演者Aが稽古中に負傷。足が血まみれに。(そんなハードな稽古はしてない)
・出演者Bが稽古が始まって1週間程度で、Bが演じる役柄のパートナー役を演じていた役者に対して「私は前世でこの人に殺されて死んだ記憶がある。そのため、降板したい」と申し出てきた。そのためそのBが演じるはずだった約は出演者Cに演じてもらうことになった。
・降板した出演者Bの代わりに、出演者Cに役を演じてもらうことになった直後、出演者Cの近親者が突然亡くなった。
・出演者Dが稽古帰りに駅で転んだ。その場に私もいてみていたが、特に大きな転倒ではなかったが、足を強く捻挫してしまい、足が腫れあがった。その後も治るまでだいぶ長くかかった。
・出演者Eの実家が営むビジネスにおいて大きな事件が起き、テレビでニュースになるほど大変なことになった。
・出演者Cに続き、出演者Fの近親者も亡くなった。
ちなみに本番は12月半ばで、稽古は秋くらいからはじめたので、ほんの3カ月くらいの間にこのようなことが立て続けに起こった。
私は全くなんの影響もなかったのだが、あまりにも連続的に不幸が起きるので「何かが上演を阻止しようとしている???」と思ってしまったが、無事上演はできた。
かごめかごめにはなにか呪いがあるのではないか、と私は今でも思っている。